はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第32章 幸せ過ぎる日本人

日本は少子高齢化で坂道を転げ落ちつつある国で、失われた20年間で十分予測できた課題への対策を怠った国として、他の先進国から大変厳しい視線を送られている。マスコミに押し付けられた情報を鵜呑みにしていず、幅広い視野を持たなければいけない。

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1 国連は町内会と同じ機関

 1) 国連が作られた目的

国際連合は、第二次世界大戦で勝った国と負けた国が集まり、二度と戦争が怒らないようにしようと話し合うための会議であった。国際連合(The United Nations )は、「つるむ」を意味する United と「国々」を意味する Nations という単語でできている。

したがって、国際連合は「さまざまな国と連合国の集まり」という意味であり、連合国はまさに第二次世界大戦の連合国あって、日本やドイツから見れば敵国である。世界のニュースを日本人は何も知らない

もともと国連会議では「ドイツと日本のような国が再びおかしなことをしないようにみんなで監視しよう。とりあえずたくさんお金を払わせれば悪さはしないだろう」という目的があった。

ところが、戦争が終わるとドイツと日本は商売に精を出しておとなしくなり、なんとなく危なそうだったソ連と中国も冷戦状態が続き、実際には睨んでいるだけでお役目終了、さほど仕事はなかった。

そこで、国連は開発援助や各種調査、郵便番号や電話番号の表示の仕方、魚を捕る量など様々な取り決めや活動を増やしていき大きな組織へと発展した。旧ソ連が崩壊して冷戦が終わると同時に、中東やアフリカで局地的な殴り合いが頻発するようになった。

しかし、単なる寄り合いに過ぎないためさまざまな取り決めをしても強制力はない。実態はアメリカや中国がやりたい放題なので、寄り合いに何の意味があるのか、本当は別になくても困らない組織なんじゃないか、と考える人々が出てきた。

第二次世界大戦が終わってもう70年以上たつので、そろそろ何か別な組織にしてもよいのではという人もいる。といはいえ解散してしまうと、国連で働いている人たちが失業してしまうので調整が面倒という事情もある。

国連は本部で開かれる安全保障理事会のおごそかなイメージが強いかもしれないが、さまざまな専門機関から成り立つ官僚機構である。職員は5万人で東京都よりも少ない予算で運営されている。実態は町内会の寄り合いと大きな差はない。

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 2) 町内会組織の特徴

① 構成員は常識も文化も忍耐度もバラバラ

② 会費の支払いはいつも遅れる人がいる

③ いつもお金が足りない

④ 仕切りたがるご老人がいる

⑤ 役割当番がある

⑥ 役職はきまっているが命令系統はあいまいなので喧嘩になる

⑦ メンバーがなかなか入れ替わらない

⑧ 家の大きさやお金の有無にかかわらず投票権は一人一票

⑨ ドブ掃除のような行事がある

⑩ 参加しないとゴミ集めの場所を使わせてもらえない

⑪ よそ者に冷たい

⑫ みんな本当は辞めたい

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 3) 国際連合組織の特織

① 構成員は常識も文化も忍耐度もバラバラ

② 会費の支払いはいつも遅れる国がある

③ いつもお金が足りない

④ 仕切りたがり実権を握っている国がある

⑤ 平和維持軍や会場の雨漏り修理などは何となく役割が決まっている

⑥ 決めたことや役割に強制力はないので大喧嘩になる

⑦ メンバーがなかなか入れ替わらない

⑧ 国の大きさや豊かさにかかわらず一人一票

⑨ 総会や各種会議にスポーツ大会などの行事がくっついてくる

⑩ 報告書はあまり読んでいない

⑪ 参加しないと様々な取り決めで困る

⑫ みんな本当は辞めたい

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2 EUは修羅場の町内会

 1) EUが作られた目的

EU(欧州連合)とはいったい何か、あなたは説明できるだろうか。欧州連合の設立当初は、ヨーロッパ各国が石炭や燃料のことを話し合うという地味な団体だった。その昔、ヨーロッパでは各国を戦場にして大きな戦争が起こり、たくさんの人々が亡くなった。

ヨーロッパの寒い地域では燃料がないとお湯も沸かせず、寒くてみんな死んでしまう。北の方はさらに寒いので作物が育たず、果物や野菜を輸入しなければならない。その辺の木に自然に育つ果物などを、食べられるような恵まれた環境ではない。

彼らにとって欠かせない石炭や燃料をめぐって国同士で喧嘩をしてしまったら、また戦争が勃発してしまう。欧州は世界ではじめて戦車や機関砲を作り、毒ガスを使用した国々の集まりであり、相手を徹底的に叩きのめしたいたいという物騒な国が多い。

EUが誕生する以前にルヒャルド・クーデンホーフ=カレルギーが「汎欧州主義」を唱えた。欧州では民族主義や政治的考え方の違いによる利害が対立して様々な争いが発生していたが、欧州全体で共通の価値観を持って争わずに仲良く暮らそうという考えである。

ルヒャルド・クーデンホーフ=カレルギーは青山栄次郎という日本名を持ち、奥さんは青山みつさんという。汎欧州主義の考え方から、事起こさないようにみんなで集まって話し合い、なんとかなだめる仕組みを作っておきましょうというのがEUの始まりだった。

貿易や通信が発達して国同士のかかわりが増えていくと、今度はものの売り買いや各ルールをあらかじめどこかの団体が決めておいたほうが楽なので、石炭のことを話す組織を拡大して欧州連合になっていった。

EU(欧州連合)は他の国際機関ちょっと違うところがある。欧州主義はもともと哲学的な考え方をもとにしている面もあるので、たいへん理想主義だったと言える。

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 2) ドイツの勇み足

アメリカは一つの国でも、様々な地方が集まって国を形成して連邦制で動いている。小さな国々が集まったようなもので、法律やルールが地方ごとに異なる。欧州はアメリカと同程度の大きさで、アメリカの連邦政府のようにまとめる仕組みがあっても良いだろう。

ヨーロッパの人々には欧州からカルト宗教者や犯罪人、貧しい人たちを山のように送り出したゴミ溜めの地なのに、我々よりも豊かになって実にけしからんというアメリカへの対抗心が根底にあった。

ヨーロッパには様々な国があり、それぞれ独自の文化や伝統、言語を有し、古くから近隣諸国や異民族間でいがみ合いを続けてきた土地である。食べ物や働き方、住居や芸術、コミュニケーションの仕方など、すべてにおいて大きく異なる。

交渉は困難だったが戦争を避けるために歩み寄りはじめ、EUは貿易の自由化や関税の撤廃のほか、イギリスなど一部の国を除いてユーロという通貨で欧州全体の通貨を統一することに成功した。加盟国の国籍保持者であればEU域内の居住や労働も認められた。

この結果、イギリスやドイツなど北部の豊かな国に人が集まり、貧しい国が多い南部や東部が過疎化と偏ってしまった。貧しい国から来た人々は豊かな国で働き、たくさんこどもを生んで人口は増えてゆくが、その割に豊かな国へ税金はあまり入ってこない。

急に病院や学校を増やせず、道路の混雑に悩む地元民から不満が噴出した。一方、人が流出してしまった東部や南部の国は過疎化が進み、豊かな国に出稼ぎにいった家族からの仕送りでなんとか暮らすといった始末である。連邦政府制度は無理だったのである。

さらにEUは、税金の決め方や軍隊もEU全体で統一すべきと考えを持ち始めた。イギリスに限らず欧州域内にはいまだに貴族や大金持ちが大勢おり、そういう人たちはカリブ海やリヒテンシュタインなどのタックスヘイブンを利用しお金を節約している。

そのような人々にとっては、先祖代々の屋敷やせっせとためたお金をむしり取られてしまうのだから、EUが勝手に税金を決めるのはけしからんと激怒している。

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 3) 無責任すぎたドイツ

移動と居住の自由が保障されている欧州域内に、シリアやアフガニスタン、アフリカなどから移民が押し寄せるようになった。アメリカは受け入れてくれないし、カナダやオーストラリアは遠すぎる。中国や日本は言葉がわからないし遠いからという理由である。

移動が自由で北部の国々には仕事が沢山あり福祉も充実し、それらの国々は植民地や戦争に対する贖罪の意識があり難民受け入れに積極的だった。ドイツはヨーロッパで最も豊かな国で、工業力も人材も満たされた優秀な国である。

ドイツはEU統合でさんざん儲けたうえギリシャの通貨問題も解決していないのに見栄を張り、我が国は誰でも受け入れますと言ったのでがスマホやネットで広り大勢の人々が押し寄せた。あまりにも多くの難民が押し寄せる事態となりドイツは窮地に立った。

そこで、EUの実権を握っているドイツは、自分のところでは全部は無理だからほかの貧乏国も面倒みろ、受け入れ人数を各国で決めるべきと主張した。そして、貧乏な国にも勝手に人数を割り当てしまったので多くの国が激怒した。

ドイツの無責任発言は、ツイッターやフェイスブックで経由で様々な国に広がり、シリア難民だけでなくアフガニスタン、イラン、パキスタン、ガボン、コートジボアール、コソボなどシリア紛争と全然関係ない国の人々が押し寄せてしまうはめになった。

彼らは経済的に苦しいギリシャ、イタリア、マケドニア、セルビア、チェコなどの国々に集まり、貧しい国がドイツの尻拭いをしている状況だ。傲慢な人道主義は美談でもなんでもない。ドイツが好き勝手なことをやってしまったのでEUは崩壊寸前となった。

気が短くドイツが大嫌いなイギリスは、お前の言うことを聞いて難民を受け入れろなんて冗談じゃないと怒り、国民投票をしてEUから抜けてしまった。EUはドイツとフランスが牛耳っていて、なんでも勝手に決めてしまうのが気に入らなかったのだ。

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3 知らされない国々の飢餓問題

NHKをはじめ日本のマスコミは非常に閉鎖的である。テレビや新聞で取り上げられる海外の情報はほんの一部で、多くは日本人に都合よく編集された情報ばかりである。国外の情報にアクセスしただけで投獄される国がある時代に、日本だけは自由に海外のニュースにアクセスできるが、世界の人々の苦労や危機に興味を持たない楽天家ばかりである。

日本では、介護保険料や健康保険料の自己負担額が値上がりし、長時間労働は相変わらずで働く人の半分近く非正規雇用、女性差別もまだまだ厳しく、電車ではベビーカーが助けてもらえない。ツイッターでは世界一冷たくひどい国という不平不満が渦巻いている。

しかし、NHKや日本のマスコミが流さない海外の情報を見ると、日本人に生まれたことがいかにラッキーで恵まれているかを知ることになる。不平不満を言えるほど幸せで、世界中の大半の国に比べるとこんなに恵まれた国はないのである。

中東は情勢が複雑な地域ということもあり、紛争が多い地域として有名である。そんな中東では多くの人々が紛争により困窮を極めている。さらに、支援物資を送ることも難しい場所に住んでいる人々も多いことから、飢餓や貧困が深刻化しているのが現状である。

中東とは、インド以西の西アジアとアフリカ北東部の総称で、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの唯一神信仰の発祥の地である。多くの民族、宗教が混在しているため、争いが幾度となく繰り返されてきた。神々は紛争を好む傾向があるようだ。

中東には、アフガニスタン・アラブ首長国連邦・イエメン・イスラエル・イラク・イラン・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・シリア・トルコ・バーレーン・ヨルダン・レバノン・パレスチナの16か国があり、裕福な国と貧困に苦しむ国の差が広がっている。

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 1) イエメンの飢餓問題

イエメンは中東最貧国と言われ、2011年のイエメン危機から経済状況が悪化の一途を辿っている。内乱およびサウジアラビアなどによる経済制裁によって内戦は激化、食糧と燃料は不足し子どもの栄養不足率は世界最悪レベルである。

内戦によって田畑を失い、農業に必要な燃料の高騰でイエメン国民は仕事をすることができず、若者を含めた労働者の失業率が増え、イエメンの飢餓・食糧問題は深刻化している。

とある機関では、多くのイエメン国内避難民に対して食糧支援や栄養支援を行っているが、紛争の激化によって思うように支援を行うことができずイエメン国内の食料事情は悪化していく一方である。

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 2) イラクの飢餓問題

イラクは、1880年以降のイラン・イラク戦争、クウェート侵攻、そして湾岸戦争によって国際社会からフセイン政権への経済制裁が行われたことで、社会経済に大きな打撃を受けた。

経済制裁では、イラク政府に圧力をかけることが目的だったが、実際は子どもや女性といった弱い立場の人を苦しめる事態となり、飢餓・食糧問題を抱えることになった。

さらに2014年から3年間、モースル市を始めとするイラク北部・西部の多くの都市が武装勢力により占拠され、米国が主導する「有志連合」の支援を受けたイラク軍が掃討のために激しい紛争が起こった。紛争によって多くの避難民が生まれ人々の家や公共施設なども破壊された。

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 3) アフガニスタンの飢餓問題

アフガニスタンは断続的に内戦や紛争が起きている国である。戦闘行為が起こるたびに住居や道路、信号機、バスなどの交通インフラ、電気や上下水道などが破壊されている。農作物の生産も思うように行えず、衛生環境も最悪な状態で生活している。

アフガニスタンでは内戦や紛争だけではなく、干ばつが起きていることによって食糧問題はさらに深刻化している。こうした食糧不足や断続的な内戦によって、アフガニスタンの国民たちは国外へと難民として逃れている。

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 4) シリアの飢餓問題

2011年に始まったシリア危機は、戦闘行為が継続して情勢の安定化の見通しが見えない中、約57万人以上とも言われる死者及び数万人といわれる行方不明者約550万人以上の難民、約610万人の国内避難民を発生させており、今世紀最悪の人道危機と言われる状況が継続している。

シリアでは紛争の長期化によって電気、ガス、水道などの多くの社会的インフラが破壊され、シリア国民の生活は安定とは程遠いものとなっている。失業によって多くの人々は収入を得られない状況に置かれている。

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 5) レバノンの飢餓問題

レバノンはキリスト教やイスラム教など18の宗教・宗派が入り混じった国家のため、幾度となく宗教間の争いが起こってきた。紛争により首都ベイルートはこれまで何度も破壊されてきたことから、多額の復興費用によってレバノン財政は圧迫されている。

レバノンでは、2019年の大規模反政府デモの影響を受けて経済危機が起きており、国民生活が悪化するようになった。さらに2020年にはベイルート爆発が起こり、食糧供給ルートの断絶によってレバノン国民の多くが食糧不足に苦しめられている。

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 6) オマーンの飢餓問題

オマーンは中東の中でも裕福な国として知られている。しかし、オマーンでは紛争や災害の多い周辺諸国から難民を受け入れていることから、栄養不足の人々もいるため、飢餓食糧問題と無縁な国というわけではない。

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 7) サウジアラビアの飢餓問題

サウジアラビアは裕福な国だが、外国人労働者が油田やガス田・精製所にて出稼ぎ労働を行っている。その一方、サウジアラビアの人々の雇用が低迷して、働く手段のない人々は飢餓・食糧問題に直面をしている。

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 8) ヨルダンの飢餓問題

ヨルダンは2008年に起こったリーマン・ショック以降、経済が低迷している。2011年に発生したシリア危機に伴い、ヨルダンは65万人以上のシリア難民を受け入れた。

ヨルダン国内のシリア難民はヨルダン人口の約7%に相当し、あまりの数の多さによってシリア難民への対応が難しくなってきた。ヨルダン経済・財政状況が悪化していることから、ヨルダンの人々も苦しい生活を送っている。

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 9) リビア内線

2011年に起こった大規模な反政府勢力のデモが発端で、40年以上最高権力者として政権を握っていたカダフィ大佐が命を落とした。イスラム過激派の勢力が強大化し、空港周辺でロケット砲を打ち合う大規模な戦いに発展し、100人前後が死亡し、400人以上が負傷した。

2019年の4月にリビア国民軍がトリポリへの進軍を宣言し、イスラム過激派の勢力は政府側の拠点を空爆した。このためトリポリからは8000人以上の市民が戦乱を避けるために避難を続けている。

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4 報道されないニュース

 1) 政府のコントロール

国連の人権理事会は、国際的な基準に基づいて各国の状況を調査しその報告書をもとに問題点があれば改善を勧告する。「表現の自由」の調査対象に日本が選ばれ、2015年12月に訪問調査が予定されていたが、日本政府が「予算編成の時期で受け入れが困難」などとして延期を要請した。

日程を調整した上で2016年4月12~19日にかけて調査団が来日し、1週間にわたって政府機関、メディア関係者、非政府組織(NGO)関係者を対象にヒヤリングを進めた。今回の会見は調査団の責任者ケイ氏が調査を終え、帰国する直前に行われた。

政府や与党が直接的にメディアに対して圧力をかけた事例は公にされなかったが、「放送・紙媒体を問わず、様々な会社の記者から、政府の『微妙な事柄』について報じる際の独立性について深刻に懸念する声を聞いた」と、メディアによる「忖度(そんたく)」が進んでいる状況が明らかにされた。

「我々が出した結論は、『放送法第4条と、総務省が放送免許を停止する法的権限に関する大臣の発言を、総務省の他の(大臣以外の)人が確認した』というものだ。総務省が(電波を止める)権限を持っている、というのが彼らの法的見解だと考えられる」。

「放送法を改正すべき。その方法にはいくつかあると思うが、ひとつが第4条を廃止すること。『公平性』を判断することはきわめて結論が出にくい問題であり、政府は関与すべきではない。

放送業界を監督するのは独立した第三者機関であるべき。任命するのは政府かもしれないが、独立した形であるべきで、放送業界は理論的に政府機関の監督を受けないような形であるべき」

「記者クラブのシステムは廃止すべきだと思う。アクセスを制限するツールだ。記者クラブに加盟している人と記者クラブ外の人の両方に話を聞いて思うのは、(取材源のアクセスを維持するために自分の論調を変えてしまう)『アクセス・ジャーナリズム』を助長しており、調査報道を弱体化させているということ。メディアの独立性にとって障害になっていると思う」

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 2) 御用聞きの記者クラブ

日本独特の「記者クラブ制度」について、日本の大手メディアが正面から記事にするケースはほとんどない。しかし、国連の担当者が日本の「表現の自由」について調査した後に開いた記者会見を報じたJーCASTニュースの記事日本独特の「記者クラブ制度」について、日本の大手メディアが正面から記事にするケースはほとんどない。

しかし、国連の担当者が日本の「表現の自由」について調査した後に開いた記者会見を報じたJーCASTニュースの記事国際HGO「国境なき記者団」は2021年4月20日(現地時間)、恒例の「報道の自由度ランキング」の2021年版を発表した。ランキングの対象は180か国・地域で、日本は2020年よりひとつ低い67位だった。

日本の状況に関する説明で目新しいのが、菅義偉首相について「報道の自由をめぐる環境を改善するために何もしていない」という評価が加わった点だ。それ以外は2020年と同じ内容で、引き続き記者クラブの問題が指摘された。

ランキングを報じる日本メディアの多くがこの点を記事にしなかった。2021年のランキング上位3か国はノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧が占め。東アジアでは韓国が42位、台湾が43位と日本を上回った。中国は177位、北朝鮮は179位。最下位の180位はエリトリアである。

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5 世界は平和ではない

 1) 独裁の悲劇

旧ソ連の独裁国家の出身でその人の名をイワン(仮名)という。生まれてすぐに両親は離婚し父親の顔も知らない。シングルマザーの家庭で、祖父母も母親も博士号を持っている旧ソ連の学者であり、旧ソ連社会では最上層に位置するエリートの家庭だった。

旧ソ連が崩壊するとすべての社会の仕組みがひっくり返ってしまった。大学の教員や公務員はほぼ全員が仕事を失うか給料が激減し、月五千円から一万円程度しか得られない状況になった。追い打ちをかけるように資本主義経済が導入されて貧富の差が広がった。

不動産価格も高騰し、生活は苦しくなる一方だった。旧ソ連時代は特権階級として外国人しか入れなかったような店や、共産党の幹部向けリゾート施設を利用することができたが、食事さえ満足に取れず、配給の長蛇の列に並んで何とか食つなぐ状態になった。

旧ソ連崩壊後数年でロシアは秘密警察出身者が支配する独裁国家となった。イワンの家系、おじいさん世代は欧州側ロシアから強制的に移住させられたり、流刑にあったロシア人だったので、独裁国家では人種的少数派となり、多数派から迫害される立場になった。

イワンは差別を受けて公務員になれず、様々な難癖をつけられて民間企業で仕事をするのも厳しい。大学の職は多数派人種が優先されるため家族全員失業してしまった。母親は西側企業の高齢男性と付き合って生活費をもらい、西側企業の通訳をしてお金を家へ入れるようになった。

母親は何人かの男性と付き合った後、外国人と結婚して病気の親を連れて外国へ移住。親戚たちはみな外国人男性と結婚して海外へ移住していった。イワンは連れ子として母親についていくわけにはいかず、ロシアに置き去りにされた。

優秀であったため奨学金を得て海外へ留学したり、博士号を取得して国際機関で働いた時期もあったが、業績にかからわず一定期間しか働けない仕組みのため、妻子がいるのに無職になってしまった。なんとか働こうとしたが迫害される人種のためうまくいかない。

自営業で何とか生活しているが、イワンはストレスから病気を患った。自国の医療制度は崩壊していて十分な治療を受けられない。母国は環境汚染がひどいため先進国へ移住を希望しているが、ロシアからの移住希望者が多いためどの国も申請を却下している。

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 2) 命の危機が目前

旧ソ連は日本からとても遠い国のように感じるが、ロシアはン最も近い外国の一つである。そのロシアにも中央アジと似たような過酷な状況に置かれた人が大勢いるのである。

中国もほんの少し郊外へ出れば、その淒しい格差に言葉を失うだろう。そのほか、モンゴルやフィリピン、タイ、ジョージア、ボリビア、メキシコ、ナイジェリアなどでも、日本では想像できない厳しさであり、世界の国々はそんな国ばかりである。

なかにはシリアのように崩壊してしまっている国もある。ヨーロッパの場合、日本人が想像する豊かな欧州は、北部の一部の国に過ぎない。北部の国々であっても、近年は格差が拡大して、実家にお金とコネがなければいい仕事を得ることができない。

イタリアやポルトガル、スペインなどでは、日本のようなアルバイト程度の仕事すらない。イタリアからアイルランンドやオランダへ出稼ぎに行っている若い子たちも多い。

日本にも多くの問題が多いが、これほど少ない自己負担と健康保険料で迅速に質の高い医療を提供する国はほとんどない。アメリカなどは医療費が莫大で自己負担も多く、健康保険がある大企業に勤めていない限り、日本レベルの医療は受けることはできない。

健康保険料を支払っていれば医療費が無料というヨーロッパでも、無料だから高いレベルやきめ細やかなサービスは要求できず、治療や診察には優先順位がつけられ、何か月も待つこともめずらしくない。日本レベルの治療や検査は私立病院でなければ無理である。

日本ではアパートやマンション、一軒家などを借りるときに治安を考慮する必要はないが、外国では場所も物件自体も安ければ安いほど安全性が低い。死にたくなければ、高い家賃を払ってそれなりの物件に住む必要がある。

イギリス警察によれば、ジャングル用のナタによる攻撃は2017年の2か月間に928件も確認され、90分起きに発生していることになる。ロンドン郊外のクロイドンでは13才の女子中学生が、敵対ギャングとの抗争に備えて家のクローゼットにセミオートのマシンガンを隠し持っていたのが発覚し、15名の特殊部隊が突入して回収する騒ぎになった。

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 3) 平和は日本だけ

日本では小学生がひとりで自転車に乗って塾に通えるくらい安全だが、他の先進国では治安があまりにも悪いためすべて親が車で送り迎えしている。日本では家に強盗完治アラームや監視カメラを取り付ける家は少なく、窓に鉄格子を取り付けることも少ない。

日本で車を路上駐車した際に、盗難防止でカーナビやカーステレオを取り外して持ち歩く必要はないが、イタリアでは強盗や空き巣狙いが多すぎるので、玄関ドアの内部に鉄格子の入った特殊なドアや部屋に入るまで鍵が4つ付いていることも珍しくない。

ロンドンでは分厚いドアを取り付ける一般家庭もある。斧でも破壊できず、防弾になるほど頑丈で一軒で80万円もする。もっとも強固なセキュリティを希望する場合は、部屋の壁に鉄板を埋め込んで要塞のようにする人もいる。

日本は家賃も激安で、東京から少し郊外へ足を延ばせば4~5万円の物件がある。ロンドンやパリ、ローマにはそんな安価な物件はない。ロンドン市へ1時間で通勤できる場所に20平米のワンルームアパートを借りると、家賃は15万円である。

同じよいう名物件ウィ購入するとなると、築80年で4千万円ほどになる。公害であっても、日本であればだれも買わない硫黄な築60年の3寝室があるボロ家が5千万円である。日本での都心近郊であればせいぜい5~600万円の価値の物件である。

日本ではスーパーに者が並ばなくなることはない。デフレなので、外食はウクライナやカンボジアの価格レベルである。閉店間際の見切り品弁当が2~300円になるが、ハンガリーやブルガリアでさえそんな安い食料品はない。

流通革命や価格破壊が進んだ日本では激安でも良質な製品があふれている。他の国なら価格が5~6倍する品物が百円ショップにずらりと並んでいる。生活に困れば日本には生活保護がある。市役所の人は賄賂を要求せず、条件を満たしていればきちんと生活保護費が出る。

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6 これからの日本は

 1) 若者に無限の希望

日本では初等教育から漢字の書き取りや算数の計算を教えるので、字が読めない、九九ができない人はかなりまれで、簡単な計算なら暗算でやる人が大半である。ところが、先進国であっても格差がすさまじく、こうした基礎学力が身についていない。

経済開発機構(OEDC)が16~24歳の人を対象に「初歩的な読解力と計算力が身についていない人の割合」を調査したところ、OECD加盟の36か国の多くでかなり存在することがわかった。

最も多いイタリア、アメリカ、イギリスにいたっては30%にも達し、驚くべきことに55~65歳の層での調査で、スペインでは55%以上、イタリアでは50%以上、フランスでは50%近くと数値が跳ね上がった。

ところが日本の場合は、16~24歳では10%、55~65歳の層では20%未満という驚異的な数字だった。近年だけでなく、いまの60代の人が若者だった40年以前から基礎教育がきちんと提供されていたことが分かる。

日本ではほとんどの人が読み書きや計算が当たり前にできている。こうした現状が国による施策、先生方の指導、そして家庭での教育の努力が実ったものと意識している人はあまりにも少ない。

フランス政府の国家統計機関によれば、25~64歳の層で高校を卒業した人は72.5%で、ポルトガルでは37.6%しかいない。日本は高校への進学率は98.8%、中退者を差し引いても高校卒業者は97,4という驚異的な数字である。

日本人は基礎教育が与えられていることも、大学入試がかなり校正な基準であることも認識せず、ありがたみを感じることもなく基礎教育をおろそかにしてゆとり教育の導入を勧めたりしていた。はっきり言えば基礎教育制度が壊れたときに日本は国力を失う。

これらのことから、基礎教育を修めた若者が興味を持ってさらなる勉学に励めば、国際的なエリートになれるしノーベル賞も夢ではなくなる。国際的なエリートになれば当然収入もそれに伴う。富裕層になれる道は日本の若者を待っているのである。

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 2) AIには負けない

最近の人工知能(AI)の発達は目覚ましいようであるが、そもそもAIとはなんなのかを正確に理解しているだろうか。かって、パソコンが登場すると、コンピュータに仕事を奪われて失業者が増えると大騒をした時代があった。

AIはコンピュータのソフトウエアで、コンピュータはデータを与えなければ動かない。収集してきたデータを入力し、さらにそのデータをもとにどんな判断をするか、コンピュータが理解できる形で設計しておく必要がある。

入院している患者から「大丈夫です」という回答を得ても、患者がどのような文脈で大丈夫といったのか、声のトーンや表情はどうだったのか、どんな症状を抱えていたのか、詳細な情報をすべて数式に直してどう判断するかプログラミングしておかねばならない。

技術革新が進展して、コンピュータ自身が様々な状況をもとに自分で学習うするという仕組みも整いつつあるが、とはいえ、人間の2~3歳児に比べてもはるかに劣る判断力である。グーグルが文章解析した結果を見ればその能力が理解できる。

英語はAIの開発に使われてきたメイン言語であり、膨大な量のデータが蓄積されている。データの約70%が英語のため、ヘイトスピーチや不適切な表現をネット上から見つけて排除する作業も、文章の途中に前向きな単語が入ると正確に判断できなくなることが判明した。

英語の文章であっても文章の行間を読んだり、その真意を読み取ったりするのはかなり難しいことが分かってきた。つまり、現時点では思ったほど頭は良くないのである。技術が発達しても、人間の表情を読み取ったり、感情に訴えかけることはかなり困難である。

人間の感情を扱うような経営コンサルティング、カウンセリング、教育、占い、服装の相談、性的なサービスといったものを代行してもらうことは難しい。建物ごとに形が異なる配管の仕事や電気工事、衣類の縫製、料理といった作業も不向きである。

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 3) 必要な高学歴移民の受け入れ

日本人の多くは「日本医外国人労働者を入れると犯罪が増える、生活保護受給者が増える、外国語表記が増える、ゴミ捨て場のルールが守らないからトラブルが増える、ガイジンに日本が乗っ取られて日本じゃなくなる」と心配している。

① 高齢化は移民を必要とする。2025年に65歳以上の高齢者は日本の総人口に対して30%となり、80歳以上では30%が要介護と見込まれている。国の介護保険の費用は2001年から2010年の間に2倍以上に膨らんでいる。

介護費用と共に介護サービスも拡充していく必要があるが、介護職は低賃金で厳しい仕事とため働き手が不足している。国際移民機関はイギリス、アイルランド、カナダ、アメリカでは移民労働者による介護や医療サービスの提供が避けられなくなっていると云う。

② 出生率の低下で働き手が減っている。働き手が減ると=収入が減る=税金も減るという最悪な連鎖が起きる。しかも高齢者がどんどん増えて稼ぐ人が減る。でも、高齢者を支えなければならず税金はもっと必要になる、という地獄が待っている。

働く人が負担を減らしたいなら、若い人を増やさなければならない。しかし子どもを産む人は増えない。であれば、外から来てもらう以外に選択肢はない。

③ 多様な人を受け入れて創造性を高めるために移民を入れるべきである。高度な教育を受けた移民はその国に高い創造性をもたらし、仕事を生み出すので自国民の仕事が増える。多様性を受け入れない国に未来はない。

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7 信用できる情報源

 1) 公的機関の情報

政府や大手優良企業、大学や研究機関などは発信する情報の責任を重視するので、組織内部に発信情報を精査する仕組みがある。複数の人の承認が下りなければ外部に発信できず、誤解を生む内容やクレームのリスクがありそうな情報は内部承認の時点で削除や修正が入る。世界のニュースを日本人は何も知らない

これは英語圏の大手出版社も同じである。日本と比較にならないほどの訴訟社会なので読者の健康情報を害するような書籍は出版できない。テレビ局やラジオ局も同じである。日本では緩いが、英語圏だと変なことを放送するとすぐ訴訟を起こされてしまう。

英語圏の放送局では出演する人に出演前に100頁に近い契約書にサインさせる。料理番組でさえレシピが再現できるかどうか入念にチェックが入る。情報の「発信者」と「媒体」で分類するといい加減な情報を避けられると考えられる。

① 中央政府や地方自治体、国際機関などの公的な組織

② 知名度がある大学や研究所

③ 医師や弁護士、不動産鑑定士、建築士など許認可が必要な専門家

④ 長年堅実経営している一部上場企業の公式発表

⑤ 評判の高い学術論文誌に掲載されている論文

⑥ 老舗大手出版社が出版似ている書籍やニュースレター

⑦ 公共放送、大手民間放送

⑧ 専門家などから評判がいいニュースサイト

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 2) 参考になるニュースサイト

フェイクニュースが反乱するなかで、信用できる情報ソースを普段からいくつか把握しておくことが大切である。ニューヨーク指定のキングスカレッジでメディア学のポール・グレシダー教授は、以下は信用できるメディアと紹介してる。

① 一般ニュース  Nationsl Public Radio、TIME Magazine、The Christion
           Science Monitor、The Los Angeles Times、

② その他の地方新聞  USATODY、CNN、NBCNews、CBCNewa、ABCNews

③ ビジネスニュース  Forbes Magazine、Bloomberg Businessweek             magazine、FORTUNE magazine、Financial Times

④ 保守系の視点  National Review、The Weekly Standard

⑤ リベラル系の視点  The New Republic、The Nation

イギリスやヨーロッパのニュースは、信用性の高いメディアに関する世論調査を実施しているオックスフォード大学とロイアー・インスティチュート(the Reuter Institute)による調査が参考となる。

① 一般ニュース  BBC News、ITV news、SKy News、Channel 4News、
          London Evening Standard

② 保守系の視点  Daily Telegraph、aaaaathe Spectator、Daily Mail

③ リベラル系の視点  The Times、The Guardian、The Independent、
            New Statesman、Daily Mirror

④ ビジネスニュース  Financial Times、Bloomberg、The Economist、
            Reuters uk、Gazette Live、Insider Magazune、
            The Week UK、City AM

主要な媒体のサイトをチェックして、見出しとその下にある1~2行の説明文(いわゆるリード)を読んで、どの記事を選択するか決める。すべてを読むのではなく、必要な記事だけ読めばよい。

これを毎日繰り返すと、ニュースを読むのが早くなるし、どの媒体のどこを見れば自分の興味のある情報が得られるかが分かるようになる。情報を入手したら、それを咀嚼して自分なりに理解する必要がある。

常に、「これは正しいか」「別の考え方はないか」「この著者がこのような主張をするのはなぜか」「このタイミングでこの情報が出るのはなぜか」など疑問を持ちながら整理していく。これは新しい発想を生み出すために必須の手法である。

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参考文献:世界のニュースを日本人は何も知らない(大本真由美、ワニブックス)、サッチャー回顧録(マーガレット・サッチャー、石塚正彦訳、日本経済新聞社)。