はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第31章 あ~ぁ勘違いだった

便失禁を経験してついに老化現象が現れたとがっかりしたが、病院へ行くのも気が進まずに毎朝排便後に対策を施していた。なんとか自分で解決しようと様々な書籍を読んで筋肉を鍛え続けること10年、夕食にシメサバを食べた翌朝の症状でもしやと考えた。

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1 悪夢の発端

 1) ピロリ菌駆除

以前通院していたS内科医に「胃にピロリ菌がいますね。いまのところは悪さをしていないので心配いりません」と言われた。40代で胃潰瘍や十二指腸潰瘍を経験して自然治癒したが、ピロリ菌がいると再発する確率は72%高くなるとされる。

尿素呼気試験法で二酸化炭素の量を調べていただくと、平均の二倍以上の11.6%という数値が現れ、多量のピロリ菌を飼育(?)していることがわかった。医師の指示で、ピロリ菌の除菌薬を朝夕2回14日間飲み続けた。

二週間後の尿素呼気試験法で二酸化炭素は検出されず、ピロリ菌の除菌は成功した。その夜はワンカップの日本酒を二本を購入して祝杯を挙げた。ちょっと飲みすぎだったかもしれない。

その翌日、忘れもしない平成25年6月10日の朝、腸がゴロゴロを鳴り始めて便意を感じたのでトイレへ向かった。ところが、トイレ着く前に下痢状の便が漏れ出した。翌日の朝も同じことが起き、その日から下着を汚さないための対応策が始まった。

インタ-ネットで解剖図と筋肉を調べ、排便の仕組みを必死の思いで読み漁った。肛門は不随意筋の平滑筋と自分の意志で動かせる随意筋の横紋筋という、二重構造の協調作業で排便をコントロールしていることが分かった。

便失禁有無の調査では、65歳以上の約6~8%に便失禁があり決して稀な症状ではないことが分かり、高齢者の漏出性便失禁は、加齢によって排便に関わる肛門括約筋の機能や直腸の感覚が低下し、便意を感じにくくなることが原因とされる。

内肛門括約筋は意識して収縮させることができない筋肉のため、残念ながら骨盤底筋体操など、いわゆる肛門筋肉のトレーニングで鍛えることはできない。しかも老化などで生じる内肛門括約筋の筋力低下を防ぐのは難しいとされている。

軟便傾向が強いと、症状を我慢できずに便が漏れる切迫性便失禁や、日常生活で排便した後に便失禁が起こるという場合もある。私の場合は軟便傾向が強く、毎朝1度排便して30分以内に便失禁が発生していた。

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 2) さまざまな対策

固形である便の排出を押さえているのは内肛門括約筋と外肛門括約筋だが、直腸から肛門へ排出される固形便を押さえているのは恥骨直腸筋である。この恥骨直腸筋が加齢で緩んでいるから、直腸から便汁が漏れ落ちるのではないだろうかと推論した。

恥骨直腸筋を鍛えることはできないか。いくら探しても解説書は見当たらない。この筋肉を鍛えるために日平均8千歩を歩くことで肛門括約筋に刺激を与え続けた。しかし、脊柱管狭窄症の症状が進むにつれ歩くことは困難になってきた。

ある日、テレビで健康番組を見ていると、女性の尿失禁を予防する体操が紹介されていた。様々な体操を見たことがあるが、説明を聞いていると恥骨直腸筋を鍛えることができるので便失禁にも効果がありそうに思えた

これまで様々な方法を試した経験から、番組の説明と異なるが最大の効果を生み出せるように改良して、令和元年5月1日から試し始めた。すると、便失禁の大きさは直径1センチ程度の円となり、便失禁がない日が月に2度ほどでてきた。

この恥骨直腸筋体操にアスリートの筋肉増強法をプラスすると、恥骨直腸筋体操は毎週の月曜日と木曜の朝というように週2回行う。恥骨直腸筋体操の回数は10回から、50回に増やすことで負荷をかけるようにした。

恥骨直腸筋体操の回数を50回に増やしても運動量は大したものではなく、疲れると言うものではない。恥骨直腸筋体操の効果は大で、これまで続けたすべての運動の相乗効果で漏れる便汁の量はしだいに減り始めた。

初期のころと比較すると漏れ出る量は10分の1にまで減少していた。しかし、便失禁はそれ以上改善せずに、毎朝排便後は下着を汚さぬ対策を講じ続けた。そして、ある日、便失禁は脊柱管狭窄症と関係があるとの情報を得た。本当だろうか。

腰部脊柱管狭窄症の解説には、下肢の痛み(坐骨神経痛など)、下肢のしびれや異常感覚(灼熱感など)、 間歇性跛行(かんけつせいはこう)、 腰痛、排尿・排便障害(頻尿、残尿、失禁など)、その他(下肢脱力・間歇性勃起・陰部のしびれなど)とあった。

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 3) 脊柱管狭窄症の手術

令和3年8月2日に中央区の整形外科病院で院長の診察を受けた。MRI写真を撮ると狭窄を起こしている部分へ、黄色靭帯が飛び出して色が変わっている。この状態は放置しておけませんね、余病や後遺症などの弊害が出る前に手術したほうが良いそうだ。

8月18日にPCR検査を受けて翌日陰性であることが確定した。8月23日に入院して24日の10時50分から手術。1時間で手術が終わり2時間後に麻酔から覚醒した。腰に痛みはまったく感じられないが、朝昼晩と毎日痛み止めを飲まされた。

手術の翌日からリハビリ中は毎日1kmを歩いても間欠性跛行は起きなかった。退院してから5000歩や8000歩を10年前と同様に普通の状態で歩るくことができた。しかし、少量の便失禁は続き下着を汚さないための対策を続けた。

手術後は変形性膝関節症と変形性足首関節症の症状が消え、いづれも脊柱管狭窄症に関連した症状のようだった。便失禁は完治していないが、退院してから失禁のない日が月の三分の一に増え、体が普通の状態に戻すために努力しているように感じられた。

退院後はリハビリ担当者推奨の運動を続けたが、脊柱管狭窄症を発症する前に歩き回っていたところがどうなっているか気になり、毎日1時間ほどかけて確認に歩き回った。間欠性跛行は全く感じられず、歩き回れることがうれしかった。

退院後一週間が過ぎると1日の歩行距離は平均8,000歩となり、12,000歩に達する日も出てきた。ここまで歩けるようになると、リハビリ担当者推奨の運動は必要ないと思えた。

しかし、便失禁は脊柱管狭窄症の手術で完治しなかった。漏れ出る量は減っているが、良くなっていると胸を張れる状態ではなかった。そんなある日、スーパーマーケットの売り場に並んでいる大きなシメサバを発見した。

大きなサバの半身がシメられてパックされている。値段は通常のものより高く、価格は倍もしている。産地はどこだろうと手に取って見るとなんと札幌市内で加工されていた。道産品であることがうれしくなった。

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2 もしかしたら

 1) シメサバの忠告

値段が高い。でも、大きなサバの半身は脂がのっておいしそうに見える。口に入れたらきっととろけるような感じがするだろう。サバは、あんたが食べてくれと訴えているようだった。きっとおいしいだろうと妻の顔を見ると、買うのでしょうと言ってくれた。

若い頃からシメサバが好きで食べていた。生きのよいサバを買ってきて自分でシメたこともあった。酢でシメてあるので胃腸を壊すことなど考えられなかった。これまでの79年間サバを食べて腹を壊し、下痢をしたことは1度もなかった。

購入したシメサバは脂がのっていておいしかった。妻も満足したようで、この次もこのシメサバを購入しようと決めていた。だから、大きな半身のシメサバがスーパーマーケットの売り場から消えた時はがっかりした。

あきらめきれずスーパーマーケットへ行くたび、シメサバのある場所を確認していた。それから一か月ほど過ぎ、売り場に並んでいる大きなシメサバを見つけた。大喜びで購入しその夜食べると翌朝下痢をした。おかしいと思ったがシメサバに当たるはずがない。

漢方胃腸薬を3日間飲んだが軽い下痢が続いていた。子供のころから飲んでいた正露丸を思い出して、使用期限を確かめてから3日間飲み続けた。インターネットで高齢者の正露丸飲用は注意が必要とわかったので飲むのをやめると、軽い下痢は治まっていた。

一か月後にそのスーパースーパーマーケットへいくとサバは売り場から消えていた。若い店員に聞くと正月ころまで入らないという。なんということだと憤慨しながら、行くたびに売り場を確認していた。それだけにシメサバを発見した時は大喜びで飛びついた。

シメサバ


 栄養成分表示によると、エネルギーは225kcal、たんぱく質は17.6g、脂質14.3g、炭水化物3.9g、食塩相当量21g。製造者は、札幌市手稲区西宮の沢1条1丁目2番12号の「栄輿食品有限会社」(011-666-2512)である。

脂がのったサバに満足しながら就寝した午前3時ころ、布団の中でおなかがゴロゴロ鳴っている。あわててトイレへ駆け込むと、便座に腰を下ろすや否や物凄い勢いの水様便である。こんな経験をしたのはこれまで79年間一度もない。

サバで下痢をしたのは齢を取ったせいなのだろうか。それとも、サバで下痢するほど胃腸が弱っているのだろうか。そういえば、この十年間一度もバナナ状態の便を見かけたことはない。いつも形状が定かでない軟便である。体調がおかしいとサバの忠告だろうか。

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 2) 新興宗教じゃあるまいし

主治医が見つかる診療所に出演している女性の漢方医が、腹巻を愛用している話をしていたの思い出した。お腹を冷やすと免疫力が低下するとそうなので、イオンへ食料品の買い出しに行ったついでに下着売り場を調べてグンゼの腹巻を購入した。

漢方胃腸薬や正露丸をあきらめて、シメサバを食べられるように薬局で軟便を改善する薬がないか聞いてみることにした。大きなチェーン店の薬局で聞きづらかったが、利発そうな若い薬剤師に軟便を改善する薬がないか聞いてみた。

「いつごろから続いているのですか」「もう10年ほどになります」「そうですか。腸がかなり弱っているようですから、腸を改善する体力づくりが必要ですね。」「体づくり」「そうです。免疫力が低下しているようです」。薬を買いに来たのにと一瞬戸惑った。

勧められたのは北海道産タモギ茸濃縮エキス使用という「バイオゴットタブレット」という名で、北海道空知郡南幌町にある株式会社スリービーという会社の製品である。値段を見ると4000円以上もする。手持ちのお金が少ないのでこの日はあきらめた。

帰宅してからどうするか悩んだ。薬を買いに行って症状を説明し、良く効く薬を勧められたのではなく体づくりを勧められた。南幌町に製薬会社があることは知らない。薬剤師が腸を改善する体力づくりは効果があるというのだから、信じてもよいのだろうか。

悩みながら一週間後に同じ薬局を訪れた。今度は高齢の薬剤師に軟便を改善する薬がないか尋ねてみた。勧められたのは以前と同じ、北海道産タモギ茸濃縮エキス使用という「バイオゴットタブレット」である。「効きますか」と質問した。バイオゴッド

「効くと思って飲んでください。」「効かなくても思い込むのですか。」「効くと思って飲まなければ、どんな薬も効きませんよ」。なにか新興宗教のようで眉唾のように思えたが、1瓶は1日1回3錠を飲んで1か月分90錠である。令和3年の10月2日に一瓶を購入した。

帰り道で薬の入った箱を開けてみると、薬の取扱説明書などは入っていない。妙に思って薬瓶の説明を眺めると、「たもぎ茸含有加工食品」とある。薬屋さんで勧められたのは薬でなく、健康食品のサプリメントのようなものだった。

こんなものが軟便防止に利くのだろうか。薬局で声をかけた利発そうな若い薬剤師と、高齢の薬剤師の顔が浮かんだ。二人は症状の説明を静かに聞いてから、自信を持って勧めてくれた。北海道が認定した製品とも言っていた。

高齢の薬剤師の「効くと思って飲まなければ、どんな薬も効きませんよ」との言葉が耳に残っている。この一瓶だけは、騙されてと思って毎日飲んでみようと考えながら帰宅した。製造会社のホームページを見ればくわしい情報が得られるだろう。

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3 国際戦略総合特区

 1) フード特区

2011年12月、国は「総合特別区域法」に基づき、「産業の国際競争力の強化に資する事業を実施することにより、我が国の経済社会の活力向上及び持続的発展に寄与する」と認められる7つのエリアを「国際戦略総合特区」として指定した。

北海道は、全国で唯一の「食」に関する特区、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」(フード特区)として指定を受け、食産業の研究開発・輸出拠点の形成、成長著しい東アジアの食市場の獲得に向けた取組を進めている。

指定地方公共団体等は、北海道、北海道札幌市、函館市、帯広市、江別市、河東郡音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、上川郡新得町、清水町、河西郡芽室町、中札内村、更別村、広尾郡大樹町、広尾町、中川郡幕別町、

池田町、豊頃町、本別町、足寄郡足寄町、陸別町、十勝郡浦幌町、北海道経済連合会などで、目標は、食産業の研究開発・輸出拠点を形成し、成長著しい東アジアの食市場を獲得するというものである。

北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区とは、平成23年12月に内閣総理大臣より、札幌市・江別市、函館市、帯広市・十勝管内18町村の3エリアが、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区(フード特区)」に指定された。

EU・北米経済圏と同規模の成長が見込まれる東アジアにおいて、「北海道」をオランダのフードバレーに匹敵する食の研究開発・輸出拠点とすることを目的にし、特区計画期間中フード特区は平成33年度までの期間とされた。

事業の内容は、農水産物の安全性・品質をさらに高める生産体制を強化するとともに、食に関する研究開発・製品化支援機能を集積・拡充し、これを活用して本道の豊富な農水産資源及び加工品の安全性と付加価値の向上、市場ニーズに対応した商品開発の触診と販路拡大を図るというものである。

これにより、食の輸出、生産拡大、付加価値向上などに資する事業を実施するために、機械、建物等の設備を取得してその事業の用に供した場合、投資税額控除又は特別償却の支援を受けることができる可能性があるとしている。

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 2) ヘルシーDO認定

南幌町の株式会社スリービーのたもぎ茸生産量は平成22年度実績307トン、 全国総生産量の80%のシェアーを占めている。1985年の創業以来、 公益財団法人「学校給食会」の食材として全国の学校給食会に年間1,500万食を供給していた。

スリービーは、2005年に第27回食品産業優良企業等表彰食品産業部門農林水産大臣賞を受賞され、平成19年度に道産きのこ優良生産者表彰も受けられていた。経済産業省が平成29年12月に選定した「地域未来牽引企業」に認定される。

また、平成19年に第11回藤百福賞発明発見奨励賞を受賞、2009年元気なモノ作り中小企業300社に選ばれ、厚生労働省の健康食品GMPガイドラインに基づき、(公財)日本健康・栄養食品協会が定めた「GMP適合認定書」を授与されている。

前節で説明した、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区における国との協議に基づき、健康でいられる体づくりに関する科学的な研究が行われたことを北海道が認定し、北海道内で製造された製品に限り認められたものは「ヘルシーDO」と認定される。

この「ヘルシーDO」に認定されたものが「たもぎ茸濃縮エキス」で、健康でいられる体づくりに関する科学的な研究で誕生した、錠剤のバイオゴッド、液状のバイオゴッドを直接販売している。

日本調剤のホームページでつぎのように照会されていた。「純度100%たもぎ茸天然エキス。高濃度のベータグルカンをはじめ、20種類にも及ぶアミノ酸や生命活動に必要不可欠なミネラル成分がバランスよく含まれている健康食品です。

幻のキノコと言われるたもぎ茸にはアミノ酸や多糖類が多く含まれます。スリービーの独自システムで栽培されたたもぎ茸は、β-Dグルカンを多く含み、「マンニトールやセラミド」も含まれています。

製品が一定の品質で「安全」に作られるための工程管理基準(GMP)に基づいて製造されているので、安心してご使用いただけます」。

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4 驚いたのなんのって

薬を購入したその日の午後2時にさっそく3錠を飲んでみると、翌朝かすかな便失禁があった。すぐに効果が出るはずはないと思いながらも、毎日午後2時に3錠を飲み続けると3日後には便失禁の痕跡が消えた。その翌日も痕跡がなかった。バイオゴッド

キノコ類が免疫力に働くことは広く知られている。スリービーは自社のたもぎ茸の免疫力強化作用にすぐれたβ-D-グルカンという成分が豊富に含まれている点に着目し、加工工程において熱水抽出して濃縮・精製したたもぎ茸エキス「バイオゴッド」を開発した。

バイオゴッドにはたもぎ茸本来の栄養や有効成分がたっぷり含まれており、その有用性は多くの学術機関や医療機関でも認められている。2005年4月にはアメリカ癌学会で、「バイオゴッド」の抗腫瘍効果に関する研究成果が発表され世界の注目が集まった。

人間の白血球の一種であるマクロファージに作用・強化し、胸腺からの免疫T細胞や骨髄からの免疫細胞を活発にして、B細胞による抗体生産も増加させると言われている。現在のところ副作用的なものも発見されていずきわめて安全と言えるだろう。

薬のふたを開けるたびに「効くと思って飲まなければ、どんな薬も効きませんよ」と諭した薬剤師の顔が浮かんでくる。10月5日から漏れ出た痕跡は無くなったが、万一を考えて対策を忘れることはできなかった。

この十年間は何だったのだろう。老化などで生じる内肛門括約筋の筋力低下を防ぐために、必死で様々な工夫で筋肉を鍛え続けた。それなのにバイオゴッドを飲んだ翌日からバナナ状の排便があった。再会したのは十数年ぶりである。

膀胱にたまっている便をすべて出し切ろうと下腹に力を加えなくても、バナナ状の便が自然にするりと出ていく。たまぎ茸の成分がこれほど早く効果を表すとは信じられなかった。しかし、信じなくても毎朝の排便は自然のままで漏れた痕跡を残さなかった。

シメサバのお陰で腸の活動が衰えていたとわかった。バイオゴッドは無くなるまで飲み続け、必要ならもう一瓶購入してもよい。老化による便失禁ではなく、原因は腸の活動が衰えていたための症状とわかった。シメサバに感謝してもしきれなかった。ありがとう。

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