2022年5月中旬 花の洪水が押し寄せて
昔から今に至るまで変わらずに道端や公園など野外で、ごく普通に見られるのが山吹の花です。万葉集には「かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花」と謳われています。
蛙が鳴いている神奈備川(かんなびがわ)の河面に映って見えるだろう、川辺には今咲いているのだろうか山吹の花は、という意味です。古今集にも「かはづなく 井手の山吹 散りにけり 花の盛りに 会はましものを」と謳われています。
現代では山吹に注目する人はまれかもしれません。それほど人々を引き付ける様々な色の花があふれています。でも、時には山吹色の花を見ながら古代の人々の感慨にひたるのもいいものです。