はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第8章 ワインを楽しむ

私は赤ワインのフルボディが好きです。子どもの頃に飲んだ濃厚な味わいの葡萄酒を思い出させます。エジプトのファラオもクレオパトラ、デカルトもカントも、ソクラテスも飲んでいたのは赤ワインのフルボディです。これにチーズがあれば最高です。

1 高価なワイン

私たちがデパートのワイン売り場へ行くと、目の玉が飛び出すような値札が付いたワインが並べられています。ワインの専門店にも数千円から数万円というワインが並んでいます。スーパーマーケットやコンビニへ行くと数百円というワインが並んでいます。

この値段の差は何でしょう。たかが、葡萄(ぶどう)を原料にした発酵酒じゃないですか。値段が高ければ上品で美味しく、安物は粗悪品でそれなりの味でしょうか。買えもしない数万円もするワインを眺めて、どんな味がするのだろうと思ったこともあります。

ワイン用のぶどう栽培は年間平均気温が10~20℃の暖かさで年間降水量が500~900mm程度、開花から収穫までの日照時間が1300~1500時間程度とされています。これらの条件は北緯30~50度、南緯20~40度の中にほぼ納まっています。

ぶどう栽培は冬の間に剪定や苗木作りを行い、春から夏にかけてぶどうの果実に養分を集中させ、枝や葉に養分を取られて生い茂っても、果実がたわわに実り過ぎてもいけないなど、とても難しい生産管理があります。

世界中の名産地でのワイン生産原価に特に差はありません。有名なブルゴーニュでもボルドーでも別に地代が高いわけでもなく、摘み取り専門の季節労働者への賃金が高いわけでもありません。ですから、付加価値で高い安いが決まるのです。

トップへ戻る

高いワインを生み出すぶどうの木は、栽培条件に適した畑に気候や品種などに加えてより糖分やその他のミネラルが凝縮されるように、単一面積当たりの収穫量が低くなるように間引きをして植えられています。

狭い畑にぶどうを密集して植えるより、適当に本数を少なくしてぶどうの実ひとつひとつの糖度が上がるように広いぶどう畑でつくられているのが高級ワイン用のぶどうです。当然収穫量は落ちるので、出来上がるワインの値段も上がるというわけです。

このようにして栽培された高級ワイン用ぶどうは、国内で流通してる超高値の生食用ぶどうよりはるかに甘いぶどうになります。あなたがいま住んでいる部屋の中に、ぶどうの木が1本か2本だけ栽培されているのですからいかに価値の高いものか分かるでしょう。

しかも、完熟したぶどうだけを摘み取るのは手摘みで、機械を使わずにすべて手作業で収穫しています。この方法で収穫するとぶどうに傷がつくことが少なく、ぶどう本来の香りや味わいもそれだけワインに反映しやすくなります。

さらに、高価格帯のワインはフリーランと呼ばれる自然に流れ出るぶどうジュースを使用します。時間をかけて流れ落ちるフリーランのぶどうジュースは、香りや味わいともに非常にふくよかなものができます。

値段の差ができるのは原料となるぶどうの差、栽培方法の差や価値を上げようとした努力の差が価格に反映されているのです。希少価値をご理解いただけるでしょうが、あなたが美味しいと思うかどうかは別問題です。

日本ではまだまだワインは高級酒であり、価格が高いものがいいというイメージの人が多いようですが、希少価値で値段が付くこともあるので高ければ必ず美味しいというわけではないのがワインです。

トップへ戻る

2 安価なワイン

安いワインは、甘さが少ない安いぶどうから造ります。ぶどうの木は日光が十分当たる斜面の狭い土地に密集して植えられ、写真や映像でぶどう園と紹介されているものはほとんどが安いワイン用の安いぶどうの木です。

収穫前やあとの腐った部位の除去がきちんとされているかどうか、収穫してから発酵までの間があくかどうかによってもぶどうの状態はかなり左右されますが、機械で収穫した場合は、ぶどうがつぶれてしまったり皮がやぶけてしまったものも一緒に発酵させます。

ぶどうを搾る作業は、品種にもよりますが1度だけではなく3回~5回絞ります。潰して搾ったジュースは色あいにも混濁が見られたり、えぐみやしぶみも含まれる場合があります。このような製法を採ると、ぶどうの香りという点ではどうしても劣ります。

これらを無駄なく製品化するためにブレンドしたり、液糖を加えて甘く仕上げるという方法を用います。原料を絞ったものはすべて税金の対象となり、簡単に廃棄することはできません。そこでこれらは、低価格帯のワインやリキュールとして販売されています。

日本では海外からぶどうジュースを輸入し、それを発酵させたものと国産ぶどうを発酵させたものをブレンドして製品化することが許可され、安い甘口ワインの場合は海外の濃縮果汁に液糖をまぜたものをベースにしてワインとして販売するのが一般的です。

日本のメーカーが料理用ワインを販売していますが、料理用ワインとして製品化したのは日本だけです。あなたがメーカーの期待に応えて美味しいと思うかどうかは別問題ですが、料理人の実験結果では料理用ワインを使うと料理が不味くなったと言われます。

映画のように古いヴィンテージをありがたるような舌音痴がはびこる世界は消えて、新しくていいワインが好まれるようになりました。コルク栓が廃れてスクリュウキャップの技術が進化したので、新しいワインは開栓してから日持ちもします。

日本のぶどうも付加価値を高めるようになり国際価格になってきています。ちょっと高いのがフランス産、逆に一部のチリやオーストラリアのぶどうが世界一安くなってきています。

トップへ戻る

3 高級品のシャンパン

シャンパンはワインに炭酸を封じ込めたスパーリングワインで、海外からの国賓を招いての宮中晩餐会で最初の乾杯は必ずドンペリです。ドンペリはバランスは良いが個性はなく、万人受けするので宮中晩餐会のように数百人が出席する会では非常に重要です。

シャンパンと名乗れるお酒は、シャンパーニュ地方で作られ、定められたぶどうの品種を栽培したもので、伝統的な製造法によって作られ、シャンパンに関する法律で規定された条件を満たしているものを指します。

シャンパンは、発酵中のワインを瓶詰めして放置していたときに偶然できたそうです。有名なシャンパンの正式名称はドン・ペリニヨンと言いますが、ラベルの色は白で俗にドンペリ白と呼ばれる一般的なグレードのものでも価格は約一万円します。

シャンパンは、泡が出てポンと音が鳴るお酒として200年前のパリのキャバレーで人気のお酒だったそうです。うわさで聞いただけですが、ホストクラブや銀座の高級バーの定番はドンペリだったそうです。

銀座の高級クラブでドンペリをオーダーすると30万円とか50万円だった時代もあったようです。現在は原価3万5千円のドンペリが17万円のようです。ただし、三掛けや五掛けという世界ですから、お店によって十掛け以上になる場合もありえます。

平成5~6年頃に原稿料が入ったので、ドンペリ白を一本購入して帰宅しました。冷蔵庫で冷やしてからワイングラスについで夫婦で味わいました。なんだこの酸っぱい味は、こんなもの二度と飲むものかというのが感想でした。二人の口に合わなかったのです。

どんなに高級品でも口に合わなければ価値はありません。高ければいい、必ず美味しいというわけではないのです。

トップへ戻る

4 ボジョレー・ヌーヴォー

ボジョレー・ヌーヴォーは、フランスのブルゴーニュー地方の南部にあるボジョレー地区の赤ワインの初物で代表的なワインではありません。その年のブドウの品質が良いか悪いかを確認するために作られはじめました。

冷蔵設備のない時代ですから人々は近くの醸造所へ行き、ワイナリーでワインを量り売りで買っていました。周辺の限られたボジョレーの地元住民が、美味しさを味わうというより地酒感覚で新酒を静かに祝う意味合いが強かったのです。

ボジョレー・ヌーボーは9月頃に収穫したぶどうで造ったワインを11月半ばに販売するので、急ピッチで醸造しなければ間に合わせることができません。このため醸造タンク内を炭酸ガスで充満させることで、果実に圧力をかけて色素等を素早く抽出しています。

このような製法を取るため、ボージョレ・ヌーボーにはイチゴ・キャンディのような甘い香りが副産物として生じ、しっかりと色素を含みながらタンニン分の少ない軽くフレッシュなワインに仕上がっています。

赤ワインは独特の渋味やコクを味わうため16~18度で飲むと美味しいと言われていますが、ボジョレー・ヌーヴォーには渋味が少なく、非常に軽やかなフレッシュなワインなので冷蔵庫で数時間冷やした方が美味しく飲めるといわれます。

原料ぶどうは華やかでフレッシュそしてフルーティさが特徴のガメイ種と呼ばれる品種で、ボジョレー地区の人々は19世紀からその新酒を好んで飲んでいましたが、国の規定で生産管理が厳しくなると醸造期間が短いためにワインとは認められなくなりました。

トップへ戻る

ボジョレー地区の人々はフランス政府と交渉を重ねた結果、通常のワインと異なり早い新酒の解禁日がボジョレー・ヌーヴォーにだけ定められるようになりました。これがバブル最盛期の1985年に日本へ輸入され、ワインブームに火をつけることになりました。

バブル最盛期に輸入されたボジョレー・ヌーヴォーは、時差の関係で世界(先進国)で一番早く解禁日を迎えるというコマーシャルに踊らされ、空輸代金込みで高額になってもいとわないという条件付きで現在も輸入されています。

冷蔵や輸送技術の発達により、醸造家たちがもっと広めようという動きを始めました。商社や百貨店が仕掛けたブームにワインが分からない人々が群がり、ワイン=お洒落と勘違いした人々が買い求め、ボジョレー・ヌーヴォーは有り難い存在と化したのです。

最近になってワインとしての価値はそれほどのものではないと人々は気づきました。ワイン好きの方々の間でボージョレ・ヌーボーの話題になると、あの味は今イチとか、今更買わないとか、中にはマズイとバッサリ切り捨てる方もいます。

フランス政府もワインとして認めてはいないボージョレ・ヌーボーは、一口にいってしまうとコストパフォーマンスが悪いのです。価格に見合ったしっかりとした品質のワインを飲まれている方々には価格よりも価値が低いと分かるのです。

トップへ戻る

5 ワインとの出会い

一般的にワインを購入する人は、飲む頻度や手にする銘柄数は限られてきます。特定の銘柄がどうしても飲みたいと言うのでなければ、ワインを買うときの決断はいくらするのか、買える値段であるのかによります。

子どもの頃に山ブドウを摘んでぶどう酒を造ったことがあります。濃紫色をした液体に高価な砂糖の代用でイタヤカエデの樹液(メイプルシロップ)を加えないと飲めないような代物でしたが、飲みすぎると頭がくらくらしたことを覚えています。

二十代の頃に父親が買ってきた「赤玉ポートワイン」を少し飲んだことがあります。美しいと言える赤い色で、それまでのぶどう酒の色とはまるで違っていました。しかも、飲み終わると甘みが口に残るので、女性を対象としたぶどう酒の模造品だと思いました。

デパートやお酒の販売店でワインを見かけましが、輸入品は非常に高価でした。日本産のワインが出回ると、カタカナ表記にしたりローマ字表記にしたりで目を引かせ、値段を釣り上げて儲けようとしても中身は単なるぶどう酒じゃないかと軽蔑していました。

映画館で洋画を見ていると、ワインを飲むシーンが出てくることがあります。お酒が好きなせいもあり、俳優の飲み方を注意深く見ていたのは後日役にたちました。1953年作のローマの休日で、アン王女がジョーのアパートでワインを飲むシーンがありました。

トップへ戻る

1964年作のゴールドフィンガーでジェームス・ボンドがドンペリニヨンを飲むときに、「華氏38度以上で飲むのはよくないことだよ、ビートルズを耳栓なしで聞くのと同じようにね」というシーンがあり、そうだと思わず噴き出したことがあります。

レストランに仲間とお客を迎えてイタリア料理のコースを楽しんだことがあります。料理が運ばれる前に、ソムリエがナイフでワインを開栓してコルクを差し出しました。コース料理もワインの注文も初めてなので、戸惑いながらコルクを受け取りました。

コルクを見ると刻印がありましたが何が書いてあるのか分かりません。コルクをソムリエへ返して、ワインのラベルを見ましたが横文字ですから意味が分かりません。ソムリエが私のグラスにワインを注ぎました。白ワインであることは分かりました。

味見をすれと言うのだな考え、グラスを持ち上げて香りをかいでから一口含みました。そしてゆっくり飲み込みました。口に合いました。美味しかったので、これでお願いしますと言いました。すると参加者のグラスにワインが注がれました。

これはホスト・ティスティングと呼ばれ、銘柄の確認、ブドウの収穫年の確認、コルクで刻印と保存状態の確認、品質の確認を求められていたのだと分ったのは、相当後になってワインに関する本を読んだ時でした。映画の真似をしてよかったとホットしました。

トップへ戻る

6 ワインを知る

ワインはブドウの種類と製造方法によって、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパーリングワインという四種類あります。さらに、フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディという分類や、辛口と甘口という表現も聞いたことはあるでしょう。

赤ワインは黒色の皮をもったブドウで造ります。もっとも有名な品種はカベルネ・ソーヴィニヨンで、ブルーベリーのような力強い香りとブドウの渋みのもとであるタンニンがしっかり感じられるのが特徴です。

世界中で広く栽培されていのはメルローという品種で、プラムやブラックチェリーのような香りを持ち、カベルネ・ソーヴィニヨンよりタンニンや酸味が穏やかでやさしい味わいが特徴です。赤ワインにチャレンジするときはメルローから試されるといいでしょう。

ピノ・ノワールはイチゴやチェリーのような香りで、栽培される国によって風味に違いが出やすいのが特徴ですが、チリのピノ・ノワールはタンニンと酸味のバランスがいいものが多いと言われます。

世界中で広く栽培されている黄緑色のブドウは、ソーヴィニヨン・ブランという品種です。ハーブや柑橘系のようなフレッシュな香りと、キレのあるスッキリとした味わいが特徴で、これも栽培される地域によって風味は変わります。

白ワインは基本的に黄緑色のブドウからつくられます。世界中で栽培されている黄緑色ブドウの品種はシャルドネで、栽培する土地により味わいが微妙に変わるという特徴があります。チリのシャルドネはコクがありフルーティ、青リンゴや洋ナシの香りがします。

白ワインと赤ワインでは製造方法にも違いがあります。白ワインは圧搾したぶどう果汁を発酵させますが、赤ワインはブドウ全体を先に発酵させてから圧搾します。白と赤とでは圧搾するタイミングに違いがあるのです。

ピンク色のロゼワインの製造方法は三種類あり、マセレーション法は赤ワインと同じ方法でつくり濃い色になる前に皮や種を取り除きます。直接圧搾法は黒ブドウを使って白ワインと同じ方法でつくり、混醸法は発酵前に黒ブドウと黄緑色のブドウを混ぜています。

トップへ戻る

7 ワインの味を知る

ワインの第一印象を決めるのは、原材料に由来する果実味です。白ワインであれば酸味と甘み、赤ワインであればタンニンの渋みと酸味、さらに甘みが決め手になります。自分の好みが明確になればワインを楽しむ選択肢が広がります。

ワインの基本的な特徴を知ると、どんなワインが飲みたいのかを伝えられるようになります。飲んだうえでの表現も、的を射たものになっていきます。自分がどのような味のワインが好みか明確になることで、ワインを楽しむ選択肢が広まってきます。

好きなワインで体験を重ね、味覚になれることでその許容範囲は少しずつ広がっていきます。さらに相乗効果でもっとワインの事を知りたくなります。ワインを知ることは、自分を深く知って視野を広げることでもあるのです。

しかし、美味しいワインを飲みたいと、個人の力であなたに合ったワインを見つけるのは相当にむずかしいことです。銘柄ごとに知識を深めて最終的に目的の1本へ最短距離でたどり着くのも方法ですが、より重要なのは自分の好みを明確にさせることです。

あなたがワインの初心者であれば、最初は白ワインの甘口系が良いでしょう。スーパーやワイン量販店でも品揃えは多くありませんが、白ワインはすっきりした風味で飲みやすく、淡泊な食材にも合わせやすく、甘口から辛口まで幅広い飲み口のものがあります。

白ワインにも、すっきりとしたライトボディから、しっかりしたフルボディまであります。甘みの強弱で甘口と辛口に分かれ、酸味の強弱もあります。また、発酵を途中で止めて果汁の糖分を残すことで甘みを強調することもあります。

辛口系のワインは、ブドウの実が発酵することによって糖分がほとんどアルコール分に変化したワインです。色や味は薄く酸味が強くなり、味がキリッ!と引き締まったワインになります。白ワインが物足りなくなったら赤ワインへ挑戦しましょう。

あなたが赤ワインにチャレンジするときはメルローのぶどうで造られたワインから試されると良いでしょう。赤ワインには、フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディという種類がありますが、あなたの口に最も合うワインを探していきます。

ライトボディは、色が薄く飲んだ時に渋みが少ないサラッと軽い赤ワインです。ミディアムボディは、フルボディとライトボディのちょうど中間にあたり、渋みや酸味と香りがほどよいバランスのワインです。さらに、甘口から辛口までいろいろなものがあります。

フルボディは渋みが強く香りも味も濃厚で、色も濃い赤ワインです。黒ブドウの皮も種もその味わいを造る上で欠かせない構成要素となり、果実味や渋み、酸味、エキス分、アルコール度数などがどっしりとして、主張が強くズシッと重い感じがします。

ロゼワインの風味は特に好き嫌いの対象にならず、ロゼはある意味で万人受けするワインと言えます。飲み手を選ばないので、相手の好みに気を遣わずに選べます。味のタイプも辛口から甘口まで幅広く、どんな料理にも合わせることができます。

スパークリングワインは炭酸がしっかりあるので、キレがあって喉ごしのいいのが特色です。しかし、コルク片がワインの中に入っちゃったり、ワインが大量にこぼれたりという事故が付きまといます。くれぐれもご注意くださいとしか言えません。

トップへ戻る

8 自分に合った選び方

あなたが自分に合ったワインを見つけることは難しいと言いました。でも、最短で最善と推薦できる方法をご紹介します。その前に、「6 ワインを知る」と「7 ワインの味を知る」をもう一度読み直して的を絞ってください。

あなたの好みは、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパーリングワインのどれでしょうか。さらに辛口と甘口のどちらが好きでしょう。味の好みはフルボディ、ミディアムボディ、ライトボディのどれでしょうか。

あなたが「赤ワインのライトボディで甘口タイプ」を選んだとします。冷蔵庫で冷やしてからグラスに注いで、まず香りをかぎます。それから、一口含んだ舌でかき混ぜてからゆっくり飲み込んで下さい。このようにすると口の中にワインの香りが広がります。

飲み干したら、口の中に広がっている香りの余韻を確かめてください。そして、ゆっくり鼻から息を吐きだすとさらに香りを楽しむことができます。ここで感じたことが、あなたに合ったワインを見つけるための規準になります。

あなたがいま味わったワインの香りよりも、濃い香りが好きですか。舌で感じたワインの味より濃い味がお好きですか。濃い香りや濃い味は、もうちょっと濃い方が好きなのでしょうかでしょうか、それとも香りや味がうすいほうがお好きでしょうか。

ちょっと濃い方がよいのか、もう少し濃い方がよいのか、もっと濃い方がよいのか、濃厚が良いのか考えます。逆にちょっとうすいのか、もう少しうすい方がよいのか、もっとうすいのか、淡泊な方がよいのか、あなたがいま味わったワインを基準にして考えます。

トップへ戻る

考えがまとまったらワイン売り場へ行きましょう。ワイン売り場のスタッフは、日々知識を増やそうと提案の腕を磨いている専門家です。その実力を発揮する機会を提供してくれるお客を持っているのです。

胸にソムリエのようなブドウの房のバッジをつけているスタッフは、ワイン輸入・販売業者を対象にしたワインアドバイザーの資格を持っている人です。このようなスタッフは「本日は何かお探しですか」と聞いてきます。この時がチャンスです。

「家で飲むワインを買っていこうかと思って…」と答えるだけで十分です。後の質問はスタッフが考え、答えを導き出してくれます。大切なことは、あなたが味わったワインの名前などの情報を規準にして好みと予算を伝えることです。

安物を買うから恥ずかしいなどと考えないことです。スタッフから何かしらの提案があり、それを基に選んで購入します。高いものを勧められたら断ればよいのです。大切なことは決して無理をしないことです。

勧められたワインンが気に入ったら、近日中に再度購入店を訪ねてそのスタッフに声をかけましょう。予算があれば、更に希望を述べて求めます。購入したワインが気に入らなければ、少々勇気がいりますがその理由を述べて違うワインを紹介してもらいます。

このような関係が持てれば、そのスタッフはあなたの専属ソムリエになり、その販売店はあなたのワインセラーと言える存在になります。あなたが知識を身に付けてソムリエになるよりも、最短で最善の方法と思いませんか。

トップへ戻る

9 私のワインの楽しみ方

私は子どもの頃に山ブドウを摘んでぶどう酒を造り、家族でそれを飲むのが楽しみでした。山ブドウの実を潰してぶどうジュースを造り、それを一升瓶に詰めて保存するだけですから誰にでも造れました。

ぶどうの実はつぶれてしまっても皮がやぶけても、茎や葉が少々混じってもそんなことは気にもかけません。中には少々腐った実も混じっていたことでしょう。とにかく集めたものを絞ってブドウジュースを造っていたのです。完成した赤ワインはフルボディです。

ワインが生まれた頃は、黒ぶどうの実が摘まれて茎や葉も混じった状態で大きな容器に入れられ、足で踏むことで果汁が絞られました。実がつぶれたり皮がやぶれたり、茎や葉が少々混じっているようなブドウジュースでできた安物こそ、本物のワインなのです。

エジプトのファラオもクレオパトラも、赤ワインのフルボディを飲んでいました。デカルトもカントも、ソクラテスも飲んでいたのは赤ワインのフルボディです。ワインの価格が高ければいいものとは限らないことはこれでお分かりだと思います。

わたしは年金暮らしですから高価なワインを買うことはありません。消費税が10%になるまで気に入っていたのは、メルシャン株式会社のフルボディとミデアムボディの間に位置する「ボン・ルージュ」です。量販店で1本の価格も500円以下で値上げに備えて少々買い置いていました。

ボン・ルージュは、海外からぶどうジュースを輸入して発酵させたものと国産ぶどうを発酵させたものをブレンドした製品ですが、海外のぶどうジュースは安いのに増税に伴い便乗値上げをしました。

そこで、1本が500円以下の海外製のフルボディかミデアムボディを探していると、やっとこれこそ口に合うフルボディの一品にめぐり逢いました。チリのサンタ・ヘレナ社が製造している「アルパカ」のフルボディで、輸入者はアサヒビール株式会社でした。

地理の名門サンタ・ヘレナ社が2018年に醸造したスパイシィーさと濃厚な果実味が特徴の個性あるワインで、アルコール度数は13%、14~17度に冷やして飲むのがお勧めです。

アルパカには白ワインやロゼワイン、赤ワインのミデアムボディもライトボディもありますが、どれも1本の定価が660円でも量販店やスーパーマーケットへ行くと500円以下で購入できます。私は1日おきに3回に分けて1本を飲み干しています。

カマンベールチーズは脂肪分が高くこってりしているため、渋みのしっかりした赤ワインがよく合います。少々塩分が多めですが、缶詰めで売られているサバの味噌煮は、油っけが多く魚の旨味が凝縮されて赤ワインと相性抜群です。

カマンベールチーズは海外製品と同じ品質で良いものを、ワイン業者と同様に手間暇かけて高品質にすれば我々からお金をむしり取れると考えているようです。輸送費がかかる海外産のカマンベールは安くても美味しいので、それなりの品質で満足するというのに。

トップへ戻る