はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第48章 三石巌の分子栄養学

1958年に成立した分子生物学は、人間の体が物質分子の集合体であり物理法則にしたがった存在であることを明らかにした。体を構成する分子の材料となるものが、日々の食事で摂取される栄養素であることから物理学者の三石巌氏は分子栄養学を創設された。

分子栄養学で生命現象のすべてを握る遺伝子DNAから病気の予防を考え、科学者として理論的に正しい方法で自主管理をすることで重症の糖尿病を抱えながら合併症も起こさず、白内障も胃潰瘍も医者にかからずに克服して生涯現役を通し95歳で逝去された。

トップへ戻る

1 医学は科学にあらず

 1) 失明を宣告され

三石巌氏が医師を信用しなくなったのは目を患ったことがきっかけという。1961年にひどく目がかすむので大学病院の眼科へ行くと、「白内障で2~3年もすれば見えなくなるでしょう。見えなくなったらまた来てください」と云った言われたそうだ。

当時の医学は白内障を治す術を持っていなかった。目が見えなくなるのを黙っていられず、三石氏は自分で直してやろうと決意した。彼は、理論的な思考によって立てた仮説を実証するという手続きは、あらゆる学問に共通するものであると考えていた。

医師が目を向けない角度からアプローチすれば、人体の仕組みについて従来とは異なる結論が導き出せるかも知れない。あらゆる生物は外部から栄養を補給することにより生命を保っている。障害が起きるのは、摂取している栄養に問題があるからに違いない。

医学常識はウソだらけ

白内障の原因はビタミンCの不足であると仮説を立てた。三石氏の眼球が他の人よりも余計にビタミンCを必要としているからではないか。浴びるほどビタミンCを摂取していけば、白内障の侵攻を食い止めれられ失明は避けられる可能性が高い。

この仮説に従い、三石氏は自らの手でビタミンを注射し始めた。95歳でもスキーで滑るし、原稿も執筆している。これまで刊行された著作は300点を超し、2~3年で見えなくなるはずだった彼の目はそれから35年たっても本来の役目を立派に果たしている。

多くの医者は彼等の常識となっているマニュアル通りに治療を行っている。ある治療法がひとたび医学常識として定着すると、誰もそれを疑おうとしなくなる。科学は日進月歩しているにもかかわらず、医者は自分たちの常識が間違いになると思っていなというのが現状である。

医学は科学ではない。科学であるためには仮説を実証する科学的手続きである検証が必要である。MRIとかCTスキャンなど使用する機械がいかに科学的であろうと、検証という作業ができない医者は不勉強であり、医学は科学となり得ない。

製薬会社や医療機器メーカーと結託して私腹を肥やしているような医者もいる。患者の命や健康を守ることより、自分たちの利権を守ることを最優先に考えている。そんな医者に自分の体を委ねていたのでは、治る病気でも治らなくなってしまう。

いたずらに医学不振を煽るのではなく、医学や医者を無条件に信じるのはやめた方がいい。医学界の体質やシステムが変わるまで待っているわけにはいかないので、自分の健康は自分自身で管理するしか手はないのである。そのために必要なのは正しい知識である。

トップへ戻る

 2) 高血圧と食塩

基本的に高血圧と食塩摂取量との間にはほとんど因果関係がない。食塩の過剰摂取が原因で、高血圧になる人は百人中1~2人という少数である。血圧を平常に保つためには、食塩によって摂取されるナトリウムと、カリウムというミネラルの比率である。

リンゴをたくさん食べている人が高血圧になりにくいことは、栄養学的にも裏付けられている。血圧を平常に保つためには、食塩により摂取されるナトリウムと、ナトリウムを排出させるカリウムというミネラルの比率が重要である。

カリウムは、リンゴ、メロン、スイカ、バナナといった果物や野菜などに多く含まれている。ナトリウムやカリウムは過剰に摂取されても、通常は適切な量だけ吸収されて、過剰分はすみやかに腎臓から捨てられる仕組みになっている。

血圧のコントロールにはカルシウムとマグネシュウムの摂取比も重要である。動脈の収縮にカルシュウム、弛緩にはマグネシュウムが関わっている。マグネシュウムは、ナトリウムやカルシュウムを細胞の外へ出したり、縮んだ筋肉を緩める働きがある。

カルシウムは牛乳、小魚、海藻類などに含まれ、マグネシュウムは海藻、日本そば、ゴマや豆腐、ココアなどに豊富に含まれている。血圧を下げたかったら、余剰分は腎臓から排出できる栄養条件を整えてやればよい。

そのためには、何よりもまず蛋白質を十分に摂取すること、さらにマグネシュウムやカリウムを摂取する。魚の脂肪に含まれているエイコサペンタエン酸も効果があるようだ。血圧の微調整を行うプロスタグランディンを作るために必要となるからある。

血圧降下剤の多くは利尿剤である。血圧が高くなるのは、血管を通る血液の量が多すぎるためである。体内の水分を外に出して血液量を減らせばいい。だから、利尿剤で尿の排泄量を増やすという姑息な手段が使われる。

利尿剤によって減るのは水分だけである。煮詰まった味噌汁のように血液の質は変わってしまう。濃度が高くなっているので、利尿剤を服用する前よりも血液の粘り気が増してゆく。利尿剤の副作用として脳血栓を起こすケースが多いのはそのためである。

問題の本質はカルシウムの摂取量である。血圧をコントロールするためにはカルシウムとマグネシュウムの比率を適正に保つことである。食品から摂取する栄養をきちんと管理していれば、薬に頼る必要は全くない。

トップへ戻る

 3) コレステロールは必要

成人病といえば多くの人がコレステロールを連想するぐらい、この物質は世間から目の敵にされている。だが、コレステロールは人体にとって必要不可欠な物質である。コレステロールがなければ、私たちは健康な肉体を維持することができない。

人間を含めたあらゆる生物は小さな細胞が集まってできている。皮膚の細胞は約四週間で代謝更新するように、細胞は常に新しいものに作り替えられている。その材料となるもののひとつがコレステロールであり、常に用意しておかなければならない物質である。

細胞膜を作る成分としてコレステロールはきわめて重要な存在である。コレステロールが不足していると新しい細胞膜を作れなくなる。コレステロール不足がガンを招きやすいといわれるのもそのためで、細胞膜が弱いとその部分がガン化しやすいわけである。

コレステロールは肝臓でリボタンパクというタンパク質に梱包される。俗に善玉コレステロールと呼ばれるHDLと、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLがある。善玉とか悪玉はコレステロールの種類ではなく、梱包したパッケージの事である。

LDLが肝臓から発送されて必要とする組織へ運ぶのに対して、HDLは余ったコレステロールがあるとそれを元の肝臓に持ち帰る役割を担っている。往路のLDLにはコレステロールが多いが、復路のHDLには少なく代わりにレシチンが多い。

コレステロールが体にとって問題になるのは、このパッケージが壊れてしまった時である。血管の中で活性酸素に遭遇するとリポタンパクが酸化されて梱包がほどけてしまう。すると、積み荷の酸化コレステロールを血管中にばらまいてしまう。

こうなると、マクロファージという掃除機の様な細胞が登場して、散乱した荷物を自分の中に取り込んで片付けようとする。散乱した荷物が多すぎると、血管壁の平滑筋細胞が助っ人となって取り込み始め、これに取り込まれるとアテローム(粥状隆起)となる。

アテロームは脳梗塞の原因にもなるので、医者はすぐ降下剤を飲ませるがこれは胆石という副作用が待ち受けている。壊れてごみになったコレステロールは水に溶けないため、レシチンと一緒になって便に混じって排泄される。このときビタミンCとEが加勢する。

HLDは最初からレシチンとコレステロールを一緒に用意し、梱包がほどけるとコレステロールを道連れに体内から出ていく。レシチンは卵の黄身や大豆などに含まれ、これを十分に摂取していれば余分なコレステロールは適切に処理されアテロームは発生しない。

トップへ戻る

 4) 糖尿病の克服

糖尿病になると体内で活性酸素が大暴れするようになり、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を巻き起こすことになる。合併症こそ糖尿病が持つ怖さの本質である。逆に言えば、合併症さえ起こさなければ糖尿病は少しも怖くないことになる。

血糖値が下がらなくても、活性酸素が悪さをしないような対策を講じれば、糖尿病を克服したのと同じことになる。活性酸素を除去する物質はたくさんある。その多くは日常的な食品に含まれているから、薬と違って副作用の心配がない。

活性酸素を除去してくれる物質を三石氏は「スカベンジャー」と呼んでいる。「スカベン」とは「掃除をする」という意味の英語である。つまり、スカベンジャーは体内の活性酸素を片付けてくれる掃除屋、つまり抗活性酸素ということである。

植物は常に紫外線にさらされているため、動物よりも活性酸素の発生量が多い。それに対抗するため、スカベンジャーも自家生産して用意している。しかし、そのすべてが人間に有用なわけではない。

人間が摂取できるスカベンジャーの中で優秀なものとなると、ベータカロチンやキサントフィルといったカロチノイドが挙げられる。これは、人参、南瓜、トマトといった緑黄色野菜のほか、柑橘類、海藻、鶏や魚の卵などに含まれている。

ゴマ、緑茶、赤ワインなどに含まれているポリフェノールの仲間も、人間にとってはかなり力強い味方で、ちなみにゴマに含まれているスカベンジャーの分子は、火で煎ることで二つに割れ、それぞれが新しいスカベンジャーになり効果を増す。

昔から人間はゴマを煎って食べてきたし、緑茶も少し冷ました湯でいれたほうがおいしいと言ってきた。活性酸素やスカベンジャーの存在を知らなくても、先人は体にいい食生活の知恵を身につけていたのである。

一つ気をつけてほしいのは、ビタミンE、カロチノイド、ポリフェノールはいずれも脂溶性の物質だということである。したがって、脂質と一緒に摂取したほうが腸管で吸収されやすいことになる。

活性酸素はあらゆる病気の原因となるものだから、誰にとってもスカベンジャーの摂取は健康管理の大きな柱の一つだと言える。スカベンジャーを含んだ主要な食品を下の表で整理しておくので、健康的な食生活を送るための参考にしていただきたい。

スカベンジャー食品名
ビタミンC
(水溶性)
レモン、イチゴ、ミカン、柿、パセリ、トマト、
ブロッコリー、ピーマン、サツマイモ、番茶
ビタミンE
(脂溶性)
アーモンド、コムギ胚芽、大豆、落花生、ウナギ、
シジミ、カツオ、アユ
カロチノイド
(脂溶性)
緑黄色野菜(人参、南瓜、トマトなど)、柑橘類、
抹茶、赤身の魚、海藻、卵黄、魚卵(タラコ、スジコ、
ウニなど)
ポリフェノール
(脂溶性)
ゴマ、緑茶、赤ワイン、コーヒー、ショウガ、
香辛料、ハーブ

トップへ戻る

 5) 動脈硬化を恐れない

代表的な成人病であり日本人の三大死因は、ガン、心臓病、脳卒中である。このうち心臓病と脳卒中は循環器系の病気で、循環器系の疾患とは心臓や血管に関わるトラブルのことで、これらの病気になりやすい人の特徴は動脈硬化が著しいことである。

心臓で動脈硬化が起これば狭心症や心筋梗塞の原因になり、脳動脈や首のあたりにある頸動脈が動脈硬化を起こせば脳卒中になる。脳卒中には、脳動脈が破れる脳出血と、血管が詰まることでおきる脳梗塞がある。

人は血管と共に老いると言われ、歳を取れば動脈硬化は誰にでも起こりえる。医者の多くは誰にでも起こる老化現象だからやむをえないという。しかし、正しい栄養を摂取することにより、ある程度まで人間の老化を食い止めることができる。

動脈に弾力を与える役目を担っているのは、エラスチンというタンパク質である。一般的に、動物性食品は良質のタンパク源であり、エラスチンなどの体タンパクづくりに有利なのである。そして、エラスチンは人間が体内で作り出しているタンパクである。

本当の意味で動脈をよみがえらせるために、その部品を体内の工場で生産できるようにさせなければならない。体内でエラスチン生産に必要となるのはビタミンB6である。いわし、大豆、バナナ、豚肉など、この栄養素を含んだ食品を積極的に食べることである。

エラスチンが足りなければ投与すればよいという発想では、その後も自力でエラスチンを作ることができなくなる。本当の意味で動脈をよみがえらせるためには、その部品を体内の工場で生産できるようにさせなければならない。

循環器系の成人病の中でも、とくに心臓病の予防に役立つ物質に、タウリンという含硫アミノ酸がある。これは名前の通り硫黄を持つアミノ酸で、牡蠣や魚の血合肉などに含まれている物質である。

タンパク質の立体構造は、硫黄と硫黄とが結合することによって保たれている。活性酸素によって壊された部分を補修するためには、その硫黄を持った含硫アミノ酸が必要になる。

脳血栓の再発は、薬局で成分がアスピリン単一のものを購入し、一度に六分の一錠を飲むだけでよい。病院で処方されるアスピリンは、アルミニュウムやマグネシュウムが入っているので胃にダメージを与え、アルミニュームの摂取は痴呆症の原因となる。

トップへ戻る

 6) 高尿酸血症に動じない

通風とは高尿酸血症によって生じる発作のことで、この発作が起きると足の親指、足首、ひざの関節などに激痛が走る。風が吹いても痛いというこの病気にかかった患者は、血液中の尿酸の濃度が高まっている。たしかに検査すると通風の患者は尿酸値が高い。

医者が行う治療法は毎度お決まりのパターンである。血液検査で尿酸値が高いと判断されれば一律に薬を与える。ほおっておいても痛風にならない人まで、安易に尿酸値を下げる薬を与えて製薬会社を儲けさせている。

尿酸値の高さは、通風の必要条件であって十分条件ではない。尿酸そのものは決して有害物質ではない。むしろ血中ではスカベンジャーとして働く大切な物質である。尿酸を必要以上に減らしてしまったら、逆に健康を損ないかねない。

血中の尿酸値が高くなると、尿酸がナトリウムと結合して針状の結晶になる。これが周囲の組織を傷つけて、その部分が炎症を起こすのが通風が起こす仕組みである。逆に言えば、この針状結晶ができなければ尿酸値が高くても痛風にはならないことになる。

カギを握っているのは糖タンパク(糖とタンパク質の複合体)である。近くに糖タンパクがあると尿酸は糖タンパクと結合する。そのためナトリウムは結晶化せず、通風にはならないのである。

通風の予防策は尿酸値を下げることではない。尿酸値を下げることではなく体内で十分に糖タンパクを作れるようにしてやればよいことになる。そこで必要なのはタンパク質、さらに、糖を作るためにはビタミンAが欠かせない。

この二つを食事から摂取することで、通風は自力で克服できるのである。尿酸値が高くなる人には、体内で尿酸を過剰に作ってしまうタイプと、余った尿酸を腎臓から排泄できないタイプとがある。いずれにしても一時的なものではなく体質的な問題である。

したがって、薬で尿酸値を下げても根本的な解決にはならない。良質なタンパク質を接種して糖を作るためのビタミンAを摂取することである。体がもっている本来の機能を活かすような栄養を摂取することが重要なのである。

ハゲちゃんは61歳で左足の親指付け根に激痛を1度感じた。通風と診断されて長年薬を飲んだが、三石理論で薬の飲む回数を減らしていった。発作が起きないので医者に薬を減らすよう頼むと激怒された。通院も薬もやめたが78歳まで通風の再発はない。

トップへ戻る

 7) 脂肪肝も治る

お酒の好きな人にとって成人病との関係は重大な問題に違いない。健康のためにと思って好きなお酒を止めると、かえってストレスが増大してしまう。お酒の飲み過ぎは、脂肪肝や肝炎などの肝臓の病気と深くかかわっている。

脂肪肝とは、肝臓の細胞に必要以上の脂肪が蓄積された状態のことで、これを放っておくとアルコール性肝炎を招くことがあり、さらに肝硬変を巻き起こす。したがって、深刻な病気を避けるには、脂肪肝の段階で手を打っておくべきだろう。

肝臓はビタミンやグリコーゲンなど、いろいろな物質をためる働きをする臓器で、本来脂肪は溜めないようにできている。作られた脂肪は、コレステロールを含むリポタンパクとともに運び出される仕組みになっている。

脂肪肝になるとその仕組みがうまく働かなくなる。リポタンパクを運び出す能力は、あらかじめ遺伝的に決まっている。脂肪の量がその能力にみあったものなら、肝臓に脂肪が残ることはない。

ところが何かのきっかけで、脂肪を合成する働きが、運び出す能力を上回ってしまうことがある。そこで余った脂肪が肝臓に溜まり始めることになる。とくにアルコールを代謝するときに、そういう状態になりやすい。

アルコールを断てば二週間ほどで肝臓は元の状態に戻る。好きなお酒を止めなくても、必要な栄養を十分取っていれば、肝臓を正常に機能させることができる。酒のみにとってありがたい栄養とは、ビタミンB群に属するコリンとイノオシトールである。

コリンとイノオシトールという二つの抗脂肪肝因子はレシチンに含まれている物質である。また、アルコールを代謝するときにニコチン酸というビタミンが大量に消費される。ニコチン酸には多くの持ち場があるため、他の代謝がスムーズに行われなくなる。

脂肪肝が気になる酒飲みは、なるべくビタミンB群やレシチンを多く含んだ豚肉、豆類、チーズなどのツマミを食べながらお酒を飲むようにするといい。先人たちの経験に基づく知恵で、人間は理にかなったものをアルコールと一緒に食べてきたのである。

トップへ戻る

 8) 風邪の予防

ウイルスに対抗する必要な物質は、インターフェロンという糖タンパクである。ウイルスが体内細胞に侵入すると、その細胞からインターフェロンが外に分泌される。これが周囲の細胞に対する警戒信号となり、体がウイルスの増殖を抑える物質を作り始める。

インターフェロンを欠かさなければ風邪のウイルスを撃退することができる。体内でインターフェロンを作るためには、タンパク質とビタミンCが必要になる。また、インターフェロンは温度が高い方が作りやすい。

鼻粘膜などから冷たい空気を吸っていると、インターフェロンを生産するスピードが落ちてしまう。だから、風邪をひいたときは体を温める方が良いことになる。とくに頭部は洋服や布団から外に出ているから、冷たくなりやすい。

それを防ぐためには、脳へ通じる太い血管が走っている首から背中にかけた部分を温めてやるのが有効である。風邪をひいたときに背中にゾクゾクと悪寒が走る。これはここを温めてほしいという体からの信号である。

発熱は代謝レベルを上げるからひどく体力を消耗させる。発熱によって白血球を増やしてウイルスと戦うためである。発熱は異常な状態だが、人体が風邪という非常事態に対処するための正しい反応である。発熱は安静にしろという体からの警告である。

体を動かすことはもちろん、消化や吸収は多くのエネルギーを使う作業である。そういう活動を一時的に終始して、ウイルスとの戦いに全力をかたむけるために体は熱を出すのである。体の抵抗力を奪うことになるので、むやみに解熱剤で熱を下げないほうが良い。

解熱剤と同様に、抗生物質も風邪をひくとかならず医師から与えられる。医師の処方する抗生物質は、ウイルスに便乗して混合感染する細菌を標的にするもので、必要最小限の服用にとどめておいた方が良いだろう。

とくに気をつけたいのは、抗生物質を使っていると腸内細菌が死んでしまい、おなかの調子が悪くなることである。このため、抗生物質を服用するときは、なるべく腸内細菌の餌になる食物繊維(とくに水溶性のもの)を接種するようにしてほしい。

風邪の患者に医者は何が効くのか分からず「一応これを試してみよう」と薬を出している。効き目が分からない薬を飲むより、自分の体が持っている抵抗力を十分発揮できるような環境を作るべきである。効き目のある風邪薬ができたらノーベル賞ものと言われる。

トップへ戻る

2 分子生物学

 1) 基本となる考え

全ての生物は「個体」と「種」の保存を目的として生きている。自らを滅ぼすために存在する生命など一つもない。したがって、体の器官や機能は個体や種の保存という目的に合致するようにできている。これが生体の「合目的性」である。

体には病気や危険を避け、自らから健康になろうとする力があらかじめ備わっている。だから、砂嵐が起これば眼球を保護しようと反射的にまぶたが閉じる。火傷で皮膚が傷つけば、人体のフィードバック作用によって新しい皮膚が作られる。

こうした合目的性は、一見するとマイナスに働いているように思えることもある。長く入院して寝たきりの生活を送っていると脚の筋肉が衰える。使用しない筋肉に栄養を配給するのは生体にとって無駄である。そういう意味で、これも目的に合致した現象である。

電気工学の世界に「フィードバック」という用語がある。電気回路で出力の一部が入力に送り返されることにより出力が増減することで、サーモスタットのような自動制御装置に利用されている働きで、要するに電気回路が自己調節を行うのである。

人体がフィードバックを行うためには、エネルギーや物質が必要になる。第一に求められるのは常にタンパク質である。より正確に言えば、人間は1日に体重の千分の1の良質タンパク質を摂取する必要がある、ということになる。

体内で作れない必須アミノ酸9種類を含んでいる食品で、DNAを満足させることのできる良質タンパク質を含んでいるものは卵である。1個の卵から摂取できるタンパク質はせいぜい7g程度であり、体重70kgの人は毎日10個を食べなければならない。

これでは飽きてしまい、タンパク質は十分でもカロリーオーバーという問題が生じる。十分なタンパク質を補給することはきわめて難しい。卵以外で良質なタンパク質を含んでいる食品は、サンマ、イワシ、マトン、豚肉、カジキ、アジの順になる。

細胞というのは、年がら年中工事をしている道路や建物のようなものである。多くの人はアミノ酸のことなど気にしないが、アミノ酸が不足している体内ではリサイクルが行われている。DNAが呼び出したとき、新しいアミノ酸がなければ古いアミノ酸を使う。

どうしても新品の材料が入手できなければ、止むを得ず古材を使うしかない。傷がついていたり、不要な釘が打ってあったりでも、とりあえず柱としてその場をしのぐことができる。古材を使い回して建て直しても、けっして以前より良い家にはならないだろう。

トップへ戻る

 2) 分子栄養学

遺伝子の成り立ちは人によって異なる。両親の遺伝子がランダムにかき混ぜられて、固有の組み合わせが出来上がる。だから、似たようなところはあっても兄弟の顔は少しずつ違うし、全く似ていない兄弟も珍しくはない。

タンパク質は遺伝子の個体差を無視するわけにはいかない。それが遺伝子の指令によって出来上がっている以上、体内のタンパク質の構造も一人ひとり異なっている。姿形だけでなく、脳の働きや体質が人によって異なるのもタンパク質に個体差があるためである。

一人ひとりの遺伝子が違い、タンパク質に個体差があるのなら、栄養物質の摂り方もそれに応じたものでなければならない。それが分子栄養学の大前提である。分子栄養学の分子はDNAを意味し、分子栄養学は個体差の栄養学なのである。

人間の遺伝子は23千個あると言われている。細胞内では、アミノ酸の並べ方によって10万種類のタンパク質が作られている。一つのタンパク質はアミノ酸を百個以上も並べて作られている。多いものになると1万個ものアミノ酸がつながっている。

10万種類のタンパク質を作る能力は個体によって異なる。Aというタンパク質をつくる能力が高くても、Bというタンパク質をつくる能力は低いかもしれない。あるタンパク質をつくる能力が低ければ、タンパク質不足が招く病気になりやすい体質になる。

生まれつき免疫をつかさどるタンパク質が十分に作れない人もいれば、インシュリンを作る能力が低いために若くして糖尿病になる人もいる。そういった能力の低さを栄養物質でカバーすることができれば、体質的な弱点を克服することができることになる。

タンパク質をつくる能力は、その作業をする酵素タンパクと協同因子として働くビタミンとミネラルの量と相関する。ビタミンやミネラルといったサポーターが足りないと、タンパク質をつくる能力も低くなる。じゃあサポーターを増やしてやればよいことになる。

人間の体の中で協同因子として大きなウエイトを占めているのはビタミンである。10万種類のタンパク質がすべて微量のビタミンで事足りるということは、常識的に考えてあり得ない。ビタミンの量が足りなければ、どこかにツケが回っているはずである。

どのタンパク質が微量のビタミンで事足り、どのタンパク質が多量のビタミンを必要としているかはわからない。じゃあ大量のビタミンを浴びるほど摂取しておけばリスクを避けるれるのではないか。これが分子栄養学における「メガビタミン主義」の発想である。

トップへ戻る

 3) 活性酸素の脅威

体内でDNAの指令にしたがいフィードバックが行われていても、現実はそう簡単ではない。タンパク質をつくるのに必要なアミノ酸とビタミンを十分に摂取していても、老化や病気は起こってしまう。

人間が生きて活動していると必然的に、極めて質の悪い物質が体内に発生してしまうからである。これが発生することは、どんなに健康体であっても裂けられない。正常に操業している工場からでも、必然的に産業廃棄物が生まれるようなものである。

この迷惑な物質は「活性酸素」である。わたしたちは常にエネルギーを作って消費している。そのエネルギ―を作る工場がミトコンドリアという小器官である。ミトコンドリアはブドウ糖や脂肪酸を燃やしてエネルギーを作り出している。

ミトコンドリアは、ブドウ糖や脂肪酸を効率よく燃やすために大量の酸素を使う。そのうち最低2パーセントが活性酸素に変身してしまうと計算されている。体内でエネルギーが作られているから、活性酸素も常に発生していることになる。

人間の味方だった酸素は、活性酸素に姿を変えた途端に電子ドロボーになる。物質は分子の集まりである。一つの分子はいくつかの原子の集まりで、原子核のまわりをいくつかの電子が回っている。電子は原子核を中心にした一定の起動中にしか存在を許されない。

酸素の原子に電子の数は8個で、酸素原子は少々変則で外側の軌道に1個ずつ入っている。軌道に1個しかない場合、もう1個の電子を取り込もうとする性質がある。これが酸化力である。体内で酸素が利用されるときには、酸素の電子配置がいろいろと変化する。

それによって酸化力が強くなり、ルールどおりの電子のやりとりなどそっちのけで、強引に他から電子を奪おうとする。これが活性酸素の正体で、必要もないのに酸化力が発揮され、体内で悪行を働いてしまうのだ。

電子ドロボーの被害者は、体内にあるタンパク質や脂質の分子である。ときには遺伝子が狙われる。電子を一つ横取りされたため、その分子の構造が変わり、本来の働きができなくなってしまう。その結果、老化や病気が起きる。

電子ドロボーも時には役立つ。たとえば細菌やウイルスなどは、電子を奪い取られると死んでしまう。このときばかりは活性酸素も私たちにとって正義の味方になる。排卵や受精などの活動も活性酸素に電子を抜き取ってもらわなければうまくいかないようだ。

トップへ戻る

3 健康常識のウソ

 1) 動物性脂肪は悪くない

「並みのバカなら怖くはないが、なまじ学問のあるバカほど怖いものはない」と言われるが、活性酸素を撃退するためにはできるだけ酸化しにくい脂肪を摂取する必要がある。豚肉や牛肉の脂肪やオリーブオイルは望ましい脂質である。

また、豚肉には飽和脂肪酸のほかに、オレイン酸という不飽和脂肪酸がある。これはオリーブオイルに多いことからこの名がつけられた。オレイン酸は血中コレステロールの悪玉を減らし、善玉はそのままにしておくという素晴らしい働きをする。

沖縄の人々が長寿なのは豚肉を食べることと関係がある。豚肉をたくさん食べることによって、よい脂肪をたくさん摂っているから長寿でいられるのである。豚肉の脂肪が悪いのなら、豚肉をあまり食べない地方の方のほうが長生きすることになる。

これまで、動物性脂肪はコレステロールを増やし、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化などの原因になると思われてきた。これが真実なら、豚肉や牛肉は平均寿命を縮める最大の要因になる。日本人の死因で心筋梗塞は二位、脳卒中は三位になっているからである。

ただし、この順位は逆のようである。死亡診断書には医師が安易に心不全と記入することが多いため、実質的には心筋梗塞より脳卒中の方が多いと言われる。卒中が減少すればますます日本人の平均寿命は延びることになる。

脳卒中が減り始めた時期は、日本人の食生活が欧米化し、牛乳、バター、肉類などの消費量が増える時期と一致している。その現実を踏まえると、動物性脂肪は脳卒中をふせぐ効果があるのではないかという仮説を立てることができる。

脳卒中には、細い血管が詰まる脳梗塞と血管が破裂する脳出血の二種類がある。脳出出血は、血管つくりの材料となるタンパク質の不足が原因である。血管がもろくなっているので、血圧が高くなった時に弾力を失った動脈が破れてしまうわけである。

脳梗塞は血液の粘りが問題となる。粘りが強くなり過ぎると血栓ができるようになる。魚の油や植物性の油に含まれているリノール酸などは、不飽和脂肪酸で極めて酸化しやすい。そのため摂りすぎると過酸化脂質になり、血液に粘りを与えてしまうことになる。

これまで、動物性脂肪は減らせ減らせと言われてきた。健康のために動物性脂肪は減らせと言われてきたが、動物性脂肪を摂った方が脳卒中にはなりにくいのである。霜降り肉はなぜおいしいのか。それは体が良質の脂肪を求めているからである。

トップへ戻る

 2) マーガリンとショ-トニング

健康管理や病気の予防には何よりまず、正しい栄養を摂ることである。医食同源は的を得た言葉で、正しい食生活を送っていれば似非科学者のような医者の手などを借りずに健康を保つことができる。

医者や栄養士が体にいい食生活といえば「バランスよく栄養を取りましょう」であり、これが「健康的な食生活の基本中の基本」と錯覚しているが、本当に大切なのは相対的量ではない。体にいい食生活の基本はそれぞれの栄養素の絶対量なのである。

唯一バランスを考えなければならない栄養素はミネラルである。それ以外の栄養素は、すべて絶対量が決まっている。バランスという発想はカロリー計算から始まったもので、カロリーのバランスと栄養のバランスは似て非なるものである。

バター代用品のマーガリン、ラード代用品のショートニングは有害食品である。有害という根拠は、酸化しやすい脂肪であるということだけでなく、原料となる魚の脂肪や植物油は常温で液体になっている。そこで水素を添加して融点を上げ常温で固めたものだ。

水素を添加することにより、分子の立方体が変わってしまった。形の異なる部品は代用品になっても本来の働きをしない。むしろ、期待されている働きとは別な働きをする可能性がある。一カ所がおかしな動きをすると、全体の機能が狂ってしまう。

かってドイツでクローン病と呼ばれる難病が多発して社会問題となった。口から肛門に至るまで、消化器全体に潰瘍を起こすという恐ろしい病気である。しかも自己免疫を起こすので治りにくい。医学常識はウソだらけ実戦対策編

この病はドイツでマーガリンが発売され始めた時期に発症した。マーガリンやショートニングは、血圧や血液の粘度など様々な体機能を微調整するホルモンである、プロスタグランディンの生成を邪魔することがイギリスの学者によって実証された。

ドイツはマーガリンの使用をやめている。ところが日本では、動物性脂肪は体に悪いとバターやラードが目の敵にされている。マーガリンやショートニングは値段が安いこともあって家庭でも使われ、学校給食用のパンにもショートニングが使われている。

ナタネ油にはマーガリンやショートニングの立方体を持つ脂肪酸分子が含まれている。国産ナタネ油を食用に使わない理由がここにある。外国産のナタネ油は品質改良したものからとるので食用に使われる。

パンにマーガリンを塗るのは止めよう。お菓子やケーキにマーガリンやショートニングを使っているものを食べてはいけない。フライドチキンもショートニングで挙げているものがあるので要注意食品だ。

マーガリンやショートニングを使った食品は美味しいとは言えないから、人間の味覚をごまかすために様々な添加物を加えなければならなくなる。食品添加物の全てが安全とは言えず、健康被害を及ぼさないとは言い切れないのである。

トップへ戻る

 3) コレステロールの素

良質のタンパク質を十分に補給することは、生体の合目的性を維持するために絶対に欠かせない。そのタンパク質の中でも、プロティンスコア(食品中のたんぱく質の品質を評価するための指標)が100である食品は「たまご」である。

ところが、卵はコレステロールは多いからあまり食べないほうが良いと言われてきた。たしかに卵にはコレステロールが多く含まれている。短絡的な人は、卵をコレステロールの素と考えるようになってきた。

コレステロールは、細胞膜やさまざまなホルモンをつくるために必要不可欠な材料だから制限する必要などどこにもない。卵の黄身にコレステロールの数倍ものレシチンが含まれているので、卵のコレステロールが胆石になることもない。

たまごが危険と言い出したのはロシアのアニチコフという医学者である。彼は実験台にウサギを選び、たまごなどの動物性の餌を大量に与えた。その結果、ウサギの血液でコレステロール値が異常に高くなっていた。この実験でたまごは危険だという話が生まれた。

うさぎは草食性の動物である。そのウサギに多量のたまごを無理やり食べさせるのだから、血中コレステロールが増えるのは当たり前である。真実を求めて実験をするのであれば、人間と同じ雑食性の犬を使うべきだったろう。

こんな的外れの実験結果から導き出された固定観念が、常識となって多くの人々の頭に植え付けられている。ある意味では、オカルト教団よりも彼等はタチが悪いと言えるかもしれない。

たまごの食べ過ぎなど心配する必要などまったくない。有精卵か無精卵かも全く関係ない。100点満点のタンパク質を持っていて、しかも安く手に入るのだからこれほどありがたい食べ物はないのである。

注意すべきことは、たまごの生の白身に含まれているアビジンは、ビタミンHの吸収を阻害することである。卵白が不透明になるまで加熱調理すれば問題ない。なるべくたまごは半熟の状態で食べるようにすべきである。

トップへ戻る

 4) 錯覚してはならない情報

  ① 必要量との兼ね合い

たまごだけでタンパク質を摂ることは不可能である。なるべくたまごを食べるようにしながら、足りない分は他の食品から摂ることになる。できるだけプロティンスコアの高い食品を組み合わせて、体重の千分の1のタンパク質を確保すればよい。

良質のタンパク質は食品により含有量が異なる。プロテインスコアと必要量との兼ね合いを考えないと、カロリーオーバーになる。その点に留意しながら、下段の表「プロティンスコアと含有量」を見ながら、タンパク質の取り方を自分なりに工夫してほしい。

  ② 成長ホルモンは夜活躍

最近は夕食を軽めにして、朝食と昼食をしっかり食べる人が増えている。夜は昼間ほど体を動かさないので夕食をたくさん食べるとカロリーが消費されず、太る原因になるという理由である。だが、タンパク質の有効利用を考えるとこうした食生活は好ましくない。

人間の成長ホルモンは子どもも大人も睡眠中に出る。子どもの場合は体を成長させるために使われ、大人は傷んだ組織の修復に使われる。どちらの場合も材料としてタンパク質が必要になる。夕食で十分にタンパク質を摂らないと成長や修復の作業ははかどらない。

  ③ 無農薬野菜の危険性

農薬を使わずに作物を育てると土壌の中で細菌が増える。その細菌は空気中の窒素から硝酸を作り、根から吸収されると亜硝酸になる。一方、体内で分解されたアミノ酸からアミンという物質が発生する。体内で亜硝酸とアミンが出会うと発ガン物質になる。

この仕組みを知っている人は決して有機野菜を食べない。また、有機野菜は寄生虫の温床になるため、人間は農薬を使うようになったのである。最近は有機野菜を食べる人が増えた性で、お腹の中に回虫などの寄生虫を持っている人が増加している。

トップへ戻る

  ④ 玄米食の弊害

玄米がガンを予防する原因は、含まれているフィチン酸という物質が重金属や発ガン物質を吸着して体外へ排泄させる働きをするからである。但し、重金属も吸着するが、鉄、亜鉛、銅といった必須アミノ酸も捕えて排泄させてしまうので貧血になりやすい。

発ガン物質の除去というメリットにばかり目を奪われていると、デメリットを見失ってしまう。あえてフィチン酸を摂取しなくても、体内にあるメタロチオネインというタンパク質が重金属を捕まえて解毒し、尿と一緒に排出してくれる。

  ⑤ 三白は悪くない

健康に気を使う人は「三白はよくない」という。三白は、白米、砂糖、塩の事である。彼等は砂糖や塩を控え、白米を止めて玄米を食べている。しかし、この三白は健康を維持するためには欠かせないものである。特に砂糖は脳の働きをよくするために欠かせない。

白砂糖を止めて黒砂糖にしたほうが良いと思っている人もいるが、脳にとっては白も黒も関係ない。黒砂糖が白砂糖より勝っているのはミネラルの量だけで、他の食品からミネラルを十分に取れるなら、どちらを使っても構わない。

脳が必要としているのはブドウ糖で、砂糖はブドウ糖の供給源になる。ブドウ糖が不足してくると、骨格筋から取り出されたタンパク質が材料として使われる。そのために多大なエネルギーが消費され、エネルギーが多量に発生すれば活性酸素も多量に発生する。

キューバ危機に際し、ケネデイ大統領はキューバと全面対決を決意した。キューバの経済は砂糖に依存している。ケネデイのスタッフは科学的根拠のない医学論文を見つけた。これを根拠として、砂糖が体に悪いとした説が世界中に流布されたのである。

  ⑥ 無意味なアルカリイオン水

アルカリイオン水を飲んでいると、酸性の体質がアルカリ性になるから健康にいいと云うのが売り文句である。人間の体液は常に弱アルカリ性で、極めて狭いphの範囲にコントロールされている。だから、酸性の体質など存在しないのである。

弱アルカリ性の水を飲めば体内がアルカリ性になるという発想がどうかしている。胃液が強い酸性であることを知っていれば、いかに愚かな考えか誰にもわかるはずである。胃を通った水が、アルカリ性のまま腸で吸収されるはずがないのである。

  ⑦ 百薬の長

理性にもたまには息抜きが必要である。ほどほどにお酒を飲んでいる人が長寿になるのも、ストレスを発散しているからである。アルコールが人体に害をもたらすのは、肝臓で代謝しきれないほどの量を飲んだ時である。

アルコールは肝臓で第一段階の代謝が働いたときに、アセトアルデヒドという物質が発生する。これが悪酔いの原因だが、アセトアルデヒドを水分に代えてしまう第二段階の代謝がすぐに働けば、悪酔いも二日酔いも起こらない。

お酒を飲むときには、ニコチン酸を含んだつまみを一緒に食べたほうがいい。体表的なのは、豚肉、豆類、チーズなどの食品である。ニコチン酸のことなど知らなくても、先人たちの経験に基づく知恵というのは決して侮れない。

  ⑧ ジョギングやゴルフ

健康にいいと信じてジョギングを始めた人によしなさいと言ったらどうなるだろう。ジョギングの教祖と呼ばれたジェームス・フィックというアメリカ人が、52歳という若さでジョギング中に心筋梗塞を起こして急死した事実をどう受け止めるだろう。

ジェームス・フィックは単に不運だったわけではない。過度の運動は体に害を与えることはあっても、健康を増進させたりしないのである。ジョギングの教祖の死が特殊なケースでない証拠に、運動中の突然死を種目別に見るとジョギングが第一位になっている。

ジョギングに次いで第二位はゴルフである。ただでさえ毎日の仕事で疲労が蓄積されている状態で、睡眠不足のまま激しい運動をすれば体に負担がかかるのは当然である。早朝の運動がとくに突然死という悲惨な結果につながりやすいというだけである。

スポーツが体に悪いと云うのは、大量の活性酸素を体内に発生させるからである。体内で消費された酸素は一定の割合で活性酸素を生み出している。酸素の消費量が多ければ、それに比例して活性酸素の発生量も増加する。

活性酸素は、あらゆる病気や老化の原因になる大悪党である。そんなものを大量発生させるスポーツが体にいいはずがない。健康のためにいい汗をかいているのではなく、活性酸素の発生を察知した体が冷や汗をかいていると思った方がいいだろう。

ジョギングやエアロビックスのような有酸素運動は健康増進に役立つ部分もある。細胞のミトコンドリアを増やす効果はある。ミトコンドリアを増やすのが目的なら、ちょっと息が荒くなる程度の運動で十分である。

トップへ戻る

 5) プロティンスコアと含有量

    食品名    プロティ
ンスコア
必要量
(g)
     食品名    プロティ
ンスコア
必要量
(g)
 100   79 すじこ    66    61
サンマ   96   52 さけ   66    58
イワシ   91   63 たらこ   64    60
マトン   90   68 うどん   56  687
豚肉   90   83 大豆   56    52
カジキ   89   48 納豆   55  110
アジ   89   56 そら豆   55  260
鶏肉   87   55 アワビ   54    79
イカ   86   68 高野豆腐   52    36
そば   853678 豆腐   51  327
ロースハム   84   64 トウモロコシ   51  516
チーズ   83   65 ジャガイモ   481097
牛肉   80  466 食パン   44  162
オートミール   74  100 味噌   44  162
エビ   73   86 サヤエンドウ   36  772
米飯   73  652 マッシュルーム   231175
カニ   72     9 シイタケ   183700
タコ   72   95 コーンフレーク   16  694

トップへ戻る

参考図書:医学常識はウソだらけ(三石巌、祥伝社車文庫)、医学常識はウソだらけ実戦船対策編(三石巌、祥伝社車文庫)、脳細胞は甦る(三石巌、祥伝社車文庫)、長寿の秘密(三石巌、祥伝社車文庫)