はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第40章 あなたの心臓は大丈夫
         (セミナー)

2019(平成31)年5月11日、道新ホールで開催された医療法人札幌ハートセンター主催の第12回ハートセミナーで札幌ハートセンター理事で循環器内科医の佐藤勝彦医師の講演「あなたの心臓は大丈夫」の要約です。

1 日本人の死亡原因

少し前の統計ですが、日本人の死亡原因の第一位はがん、第二位は心疾患、第三位は脳血管疾患です。癌の死亡原因は30.4%、心疾患の死亡原因は15.8%、脳血管の死亡原因は11・5%となっています。第二位と第三位の遠因は動脈硬化です。動脈硬化でなくなる方はがんに匹敵します。

動脈硬化はどうしてなるのでしょうか。生活習慣を改めると動脈硬化にならないでしょうか。病院へ通ったり薬を飲めば動脈硬化にならないでしょか。いいえ、動脈硬化にならない人はいないのです。

長く生きていると、血管内壁にゴミのようなものが貯まってきます。次第に油も溜まってきて血管を狭くします。動脈が様々な原因で硬くもろくなり、その結果血管が狭くなったり、詰まってしまう状態を動脈硬化と言います。

動脈硬化が起きるのは、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高齢化、喫煙、肥満などが原因になっています。高齢化は病気ではありませんが、誰もが老化するのは自然の成り行きですから血管は内側から老いて行きます。

血管は内膜・中膜・外膜の三層に分かれています。最も内側に内皮細胞があります。これは血管のバリアーみたいなもので、血液の中に良いものも悪いものもあるのでそれを体の中に入れないようにするための働きと、大事なものを血管の中に取り入れる働きをしています。

この内皮細胞が、糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙などの有害物質でやられてしまうと、ここから油が染み込んできます。油というのはコレステロールです。健康な内皮細胞はコレステロールの入ってくるのをブロックしますが、内皮細胞が傷つくと血液中を流れているコレステロールが血管の壁の中に入ってきます。

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血管が硬くなって内腔が狭くなると、血管壁は血圧の圧力を受けて加齢と共に厚く硬くなります。さらに、血管の内側にコレステロールなどの脂肪が沈着すると、その部分が隆起して血管内腔が狭くなります。このままではさほど問題はありません。

悪玉コレステロールが血管壁の隆起した部分に取り込まれて粥腫を形成します。粥腫が大きくなって更に内腔を狭くします。このような粥状動脈硬化になると、深刻な問題になります。

ある日突然粥腫が破れるという事故が発生します。粥腫ができているのにほおっておくと、突然粥腫を覆っている膜が破れ、瞬時に血栓ができて血管内が塞がれてしまいます。その結果、血流が遮断され組織の一部が死んでしまいます。

血管壁に粥腫ができて血流が少なくなると、血管は太くなって必要な血液量を流そうとします。この状態は無症状であるため発見が遅れてしまいます。このような無理をしていると、やがて粥腫の幕が破れてコレステロールがドロッと血管内へ出てきます。

この瞬間に血栓ができ、動脈梗塞になります。閉じ込められているコレステロールが血液中に入ると、そのとたんに血栓ができるのです。それであっと言う間に血管が詰まってしまいます。その瞬間まで、まったく症状は表れません。

冠動脈が血栓で詰まると、大切な血液が筋肉に届かなくなるのでやがて心筋は腐ってしまいます。これを心筋壊死と言います。血液の量が少なくなるので、病名は虚血性心疾患と言います。

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2 原因や危険因子を取り除く

肥満の定義、肥満の判定は、身長当りの体重指数(肥満指数)で表します。

BMI(Body Mass Index)は、体重(kg)÷{身長(m)2}=<18.5~<25となります。計算結果が「<18.5~<25」の範囲内であれば正常です。世界中で最も長生きをした人は、BMIが22という統計もあります。

BMIが22の人は理想で、<18.5は痩せすぎ、<18.5~<25は普通体重、25<は肥満となります。

血圧は、血液が血管内を流れているときに血管の壁に当たる圧力です。最大血圧を収縮期血圧と言い、心臓が収縮して全身に血液を送り出すとき、血管に加わる圧力は最大になります。この時の血圧を最大血圧(収縮期血圧)といいます。

また、最小血圧(拡張期血圧)は、心臓が拡張して全身に送り出した血液が心臓に戻るとき、血管に加わる圧力は最小になります。この時の血圧を最小血圧(拡張期血圧)といいます。

血圧は健康状態や心理状態、また測るときの姿勢や時間帯によって異なった数値が出ます。血圧は、ストレスなどの精神的なものや、運動などで上昇するからです。さらに、1日の時間帯でも、普通、血圧は見覚めているときは高く、睡眠中は低くなっています。

血圧は、怒ったり興奮したとき、急激な温度の変化、疲労や睡眠不足、急激な運動、排便時などのいきみ、酒の飲みすぎ、塩分の取り過ぎ、太り過ぎなどで上がります。高血圧の人は三人に一人います。

高血圧は無症状のうちに全身の動脈を老化(動脈硬化)させます。脳卒中(脳出血や脳梗塞)、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、心不全(心肥大)、大動脈疾患(大動脈瘤や急逝大動脈解離)などの原因になります。

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ある日突然に・・、朝起きたら片方の手足が動かない、口がもつれてうまく話せない、仕事中に突然いびきをかいて意識を消失等の症状は、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞の可能性があります。脳血管障害(脳卒中)はなんの前触れもなく突然襲ってきます。

血圧が高いとなぜいけないのか。血圧が高い状態が続くと血管に過度の負担がかかり、血管壁は厚くなり傷つきやすくなります。そして、そこにコレステロール等が付着して、血管の内側を狭くして動脈硬化(血管障害)がさらに進み様々な病気の引き金になります。

高血圧から起こりやすい病気は、正常血圧の人を1とすると、腎不全の人は2倍、心臓肥大・狭心症・心筋梗塞の人は2.4倍、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の人は13倍と言われます。

日本高血圧学会が2019年4月25日に改訂した高血圧治療ガイドラインによれば、

75歳未満の成人の場合、家庭で血圧を測定した結果が125を超えていると高血圧です。また、75歳以上の高齢者は家庭で血圧を測定した結果が135を超えていると高血圧です。

コレステロールは体のすべての細胞を造るための大切な材料で、コレステロールがなければ生命維持ができなくなりますが、生命維持に必要なコレステロール量を超えて体内に蓄積した場合、全身の血管に動脈硬化を及ぼします。動脈硬化は、心臓病・高血圧・脳卒中などが発症しやすくなります。

HDLやLDLはコレステロールを運搬する蛋白質です。LDLはコレステロールを肝臓から細胞へ届けますが、過剰になると動脈硬化を促進します。HDLはコレステロールを細胞から肝臓へ届ける血管の掃除屋さんです。LDLコレステロールが少なく、HDLコレステロールが多いのが理想です。

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3 動脈硬化にならないために

動脈硬化を見つける検査は、動脈硬化の早期発見に適していないのです。心電図検査は簡便で安全、何度でも施行可能です。異常所見があれば心臓病の存在が疑われますが、動脈硬化の早期発見には不適です。たとえ正常所見でも、動脈硬化や狭心症を発見することはできません。

胸部X線検査は、心臓の大きさや形、肺野の異状を診断することに適していますが、動脈硬化そのものを診断することはできません。血液検査は糖尿病や脂質異常症など、動脈硬化の原因となる生活習慣病の診断などには適していますが、動脈硬化の診断や進行度の判定はできません。

新エコー検査では、心臓の各部分の詳細な計測(大きさや厚さなど)ができます。筋肉の動き(新機能評価)もできます。血液の状態(弁の機能)が分かります。弁の狭窄や閉鎖不全が分かります。心のう液の有無が分かります。胸水の有無が分かります。

頸動脈著音波(エコー)検査は血管の詰まり具合が分かります。冠動脈の状態はCT検査で分かります。どんな人が動脈硬化の検査を受けるべきでしょうか。

自覚症状として挙げられるのは、体を動かした時に胸全体に重苦しい痛みを感じる。安静にしていても急に胸が苦しくなる。長く歩くと太腿や脹脛が痛くなり休むことで軽くなるというものです。

この症状に、糖尿病・脂質異常症・高血圧症・肥満症・喫煙などの持病があれば動脈強化の危険性は一層高まります。

動脈硬化は無症状のうちに進行し、全身の血管が徐々に狭くなり、最終的に詰まったり(閉塞)、破れて(出血)する恐ろしい病気です。自覚症状が出てからでは、すでに手遅れの場合も少なくなく、日ごろの予防と早期発見が重要です。

動脈硬化の促進因子である生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、喫煙など)にすでにかかっている方は、ぜひ機会をみつけてCTやエコーなどを受けましょう。

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4 診察を受ける決断

循環器内科医の佐藤勝彦医師の講演「あなたの心臓は大丈夫」を拝聴していると、自分の体はどのような状態なのか気になります。昨年の春ごろから狭心症の発作がなくなりました。昼食時に飲むスムージにオリーブオイルを入れているので、その効果だろうと思っていました。

狭心症の発作と考えたのは、胸痛・息苦しさ・呼吸困難・左前胸部からみぞおちあるいは左肩にかけての痛みです。しめつけられるような、動けないような痛みを感じます。かかりつけの内科医へこの症状を訴えても、狭心症の知識はなさそうです。

しかし、狭心症の発作を感じなくなったのは動脈硬化がひどくなったので、佐藤勝彦医師が説明されたように「血管壁に粥腫ができて血流が少なくなると血管は太くなって必要な血液量を流そうとしている」のではないだろうか。いつ血管が破れても不思議な状態になっているのではと考えました。

そこで、令和元年7月に札幌のハートセンターへ「現在自覚症状はほとんどありませんが、診察を受けるべきか血管ドックにすべきか迷っています。血管関係の病歴は次のようなものです」と、問い合わせました。

足が冷たすぎると内科医の指示で平成27年8月に地域の大病院で全身のCT検査を受けると、10枚ほど届いた写真の上から3枚だけを見た内科医は、左心室へ向かう血管と大動脈から足向かう血管が真っ白く石灰化していると言いました。ただそれだけです。

平成27年9月に内科医の指示で頸動脈のエコー検査を受けると、左右の頸動脈が三分の一程度詰まっていると言われました。大きな病院で頸動脈のエコー検査を受けると左内頸動脈が完全閉塞しています。エコー検査でプラークが剥がれたようです。

心臓への血管が石灰化しているので調査すると心臓までカテーテルを挿入されました。心臓への血流はあるが、左内頸動脈が閉塞しているので脳外科の診察を受けるようと指示されました。

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脳外科で左内頸動脈閉塞を検査すると、前交通動脈から脳へ血液が供給されているようだ、様子を見るので半年後に来院するようにという指示でした。担当した医師は、脳へ血液が供給されているようだという推測だけで手の施しようがないようです。

11月に脳神経科病院で核医学検査のため入院を指示され、脳の隅々まで血流があるので心配いりません。様子を見るので半年後に来院するようにと、二泊三日の検査結果の説明はわずか1分で終わりました。左内頸動脈閉塞中にどこから血液がくるのでしょう。

平成30年7月20日の朝、散歩の帰りに白石区東札幌の環状線沿いにある北楡病院の前まで来ると、突然体が左側へ傾きました。あれっと思って体をまっすぐに立て直そうとすると再び左へ体が傾きます。一瞬脳への血流が途絶えたのではと考えましたが、一過性の症状でした。

気持ちが悪くなって妻へ電話で症状を説明して救急車を呼ぶことにしましたが、なぜか119番を思い出せません。北楡病院の救急患者入口から守衛さんに声をかけて容態を説明すると、119番で救急車を呼んだ方がいいでしょうと勧められました。

そうか、119番だったかとホットして電話をかけると、「火事ですか、救急ですか」の問いに救急ですと答えると「住所を教えてください」と問い返されました。自販機に住所表示があるはずだが50m戻ってまた症状が出たらどうしよう。

再び「住所を教えてください」と問われ、ここは白石区だから白石消防署へつながっていると思い込み環状線沿いの北楡病院の前ですと答えました。再度「住所を教えてください」と問われ、幹線道路名と大きな病院名を伝えたのにと気持ちが動揺しました。

頻繁に救急車で患者が運ばれてくる北楡病院は、札幌市内でもかなり大きな病院です。白石消防署の職員で知らない人はいないはずなのに、来てもらえないようなので救急車を断ろうかと思いました。すると、「いま救急車が向かいました。そこにいてください。」

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ついに見つけたのでしょう。ホッとすると、心配した妻が様子を見に来ました。どこの病院へ行くつもりと問われ、核医学検査を受けた脳神経科病院と答えると保険証を持ってくると戻って行きました。

やがて救急車が到着して症状を聞かれ、核医学検査を受けた脳神経科病院の救急外来で血液を抜かれて30分程待たされ、CT検査後に今のところ異状は認めれませんが、万一を考慮して一晩泊って行ってください。

翌朝、結果が出るのは一週間後になりますと言われて退院。一週間後に伺うと再び血液検査、診察室に呼ばれて中性脂肪が少々高いので注意してください。様子を見るので半年後に来院するようにと、救急車で運ばれて検査した結果の説明はなにもありません。

退院して調べると、119番の通報は札幌市消防局警防部指令課へ繋がります。「住所を教えてください」に答えられない場合は、パニックを起こしていても「何区ですか、何町ですか、何条何丁目ですか」と誘導すれば絞り込めるはずと思った。

佐藤勝彦先生の講演を拝聴して令和元年7月に心臓専門病院へ照会すると、お問い合わせ頂きました件ですが、まず当院の心臓ドックは症状のある方は受ける事が出来ません。あなたの場合は症状が無いので大丈夫かと思いますが、過去に診断を受けている経緯等を考えますと診察を受けられた方が良いかと思います。

初診の方は予約を取れませんので、直接来院頂ければと思います。当院は毎日混雑しております。比較的金曜日が空いておりますのでお時間に余裕のある時にお越しください。心臓病で死なせないと言う病院は、講演で説明されたように温雑しているようです。

佐藤勝彦先生はおっしゃいます。動脈硬化おそるべし! 動脈硬化あなどるべからず!

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