はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第30章 腎臓病の進行を遅らせる

2018(平成30)年8月18日、札幌市医師会主催の家庭医学講座で手稲渓仁会病院腎臓内科の滝沢英毅主任部長の講演「腎臓病の進行を遅らせよう」は、スライド映像はなくレジメも項目のみで内容は準備不足、参考図書と実践していることをまとめました。

1 腎臓病の進行を遅らせよう

この項は、レジメの項目に基づいてメモとネットで調べたことをまとめました。

 1-1 血圧に注意しよう

血圧は130/80mmHg未満が目標になります。130mmHg以上になると高血圧、80mmHg以下になると低血圧と言います。

高血圧の治療薬を降圧剤と言いますが、「サイアザイド系利尿剤やループ利尿剤」などの利尿剤を服用すると、尿量が多くなるので水分が排出されて血液量が少なくなり、血管壁にかかる圧力を抑えます。これにより血圧は下がりますが、高尿酸血症を招き痛風を引き起こす可能性が出てきます。

一方で「ACE阻害薬とカルシウム拮抗薬」は尿代謝に悪影響を及ぼしません。「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬」は尿酸値を上げることなく、逆に下げる作用を持つものもあります。処方箋をもらったら必ず確認してください。

現在の日本でもっとも使用されている高血圧の治療薬、「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬」は肺がんの発生に関与しているのではないか、という研究が発表され専門家の間で物議をかもしました。明確な医学的根拠はありません。

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 1-2 塩分に注意しよう

塩分をたくさん取るとなぜ血圧が上昇するのでしょう。血圧の上昇要因には動脈硬化などで血管の抵抗が増す場合と、心臓から血管内に送り出される血液の量が多くなる場合のふたつが考えられます。

料理などで、青菜・魚・肉などに塩を振りかけると水分が出てきます。人間の体の中でも塩は水分を吸い寄せようとするので、塩分を多く摂れば摂るほど体内を循環する血液が増え、心臓から送り出される血液量が増加するので血圧が上がります。

1日の食塩摂取量を6グラム以下に抑えることが推奨されていますが、塩分をいくら減らしても血圧が下がらない人もいます。このような人は「食塩感受性が低い」と言われ、全高血圧患者の7割も占めています。

血圧の上昇と無関係に、食塩は心臓や血管胃悪影響を及ぼすことが分かってきました。高血圧・心筋梗塞・脳卒中など心臓や血管の病気が心配な人は、減塩を心掛けたほうが良いのです。

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 1-3 水分に注意しよう

人間は1日に2.5~3リットルの水分を必要としています。そのうち食事で1リットル程度の水分を摂取するので、残りの1.5~2リットルの水分をほかから補わなくてはなりません。

水分を必要とする理由は、安静にしていても呼吸のたびに水分は体外へ排出されています。じっとしていても体温調整のために汗を分泌しているのです。これを「不感蒸発」といい、1日に0.9リットルもの水分が失われます。

尿として1.4リットル、便に含まれる水分がおよそ0.2リットルですから、合計で2.5リットルになります。さらに、運動や仕事などで汗をかけば、さらに1リットル程度は汗で失われます。

アルコールはル尿作用が強いうえ、アルコールを分解する際に多量の水を必要とするため、飲んだ分以上の水分を失ってしまいます。同様に、利尿作用のあるカフェインを多く含む飲み物もあまりお勧めできません。

水分は摂れば摂るほど良いというものでもありません。必要以上の水分の摂り過ぎは腎臓に負担をかけるうえ、低ナトリウム血症(水中毒)につながることもあり、避けた方が無難です。

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 1-4 食事はしっかりとる

食事は1口30回かけてゆっくり噛んで食べます。歯ですりつぶして食べると、野菜や果物の細胞壁を壊すことができ、フィットケミカルなどの抗酸化物質を効果的に摂取できます。よく噛むことで分泌される唾液には、抗酸化作用のある酵素が含まれています。

よく噛みながらゆっくり食事をすると、脳の中の満腹中枢が刺激されて「もうお腹が一杯」という指令が出されることで食欲が抑えられ、腹八分目の状態になります。太った人はたいてい早食いで、満腹になるときは食べ過ぎています。

食事をすると体が熱くなりますが、1日の消費エネルギーのおよそ1割が食事で消費されると言います。よく噛むことでこの消費量が大きくなります。さらに、脂肪細胞が刺激されて脂肪の分解と燃焼が促進されます。

わたしたちの体のエネルギーは、「解糖エンジン」と「ミトコンドリアエンジン」という二種類のエンジンが連携して生み出しています。解糖エンジンは瞬発力があり、急にエネルギーが必要になったとき、血液中のブドウ糖を利用してエネルギーをつくります。

20エネルギー系は代までの若者は解糖エンジンによるエネルギーが必要になります。体の中で分裂が盛んな、皮膚、筋肉、骨髄細胞、精子などは解糖エンジンによるエネルギーを必要としています。

地球上に生命が誕生したころ、生物は「解糖」という化学反応でエネルギーを生み出していました。地球の大気中に酸素が増加すると、生物はミトコンドリアと言う好気的な細菌を取り込んで、「ミトコンドリアエンジン」を備えることで進化しました。

25歳を超えたころから解糖エンジンはミトコンドリアエンジンに切り替わっていきます。50歳代になると、長時間継続してエネルギーをつくり出すことができるミトコンドリアエンジンがメインになります。ミトコンドリアエンジンは糖質をとり過ぎると働きが悪くなります。

腸の活動はミトコンドリアエンジンのエネルギーに支えられているので、腸の調子を整え上でも糖質を控えることは重要になってきます。50歳を超えたら、ご飯やパン、麺類などの炭水化物や砂糖をたっぷり含んだ甘いお菓子を食べ過ぎないようにしましょう。

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 1-5 高カリウムは危険

カリウムは成人の体内に約200g含まれています。大部分は細胞内に存在し、細胞外液に多いナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり水分を保持したりするのに重要な役割を果たしています。

摂取されたカリウムは、小腸で吸収された後全身の組織に運ばれ大部分が腎臓により排泄されます。カリウム量は、腎臓での再吸収の調節によって維持され、血中のカリウム濃度は3.6~5.0mEq/Lに保たれています。

滝沢英毅医師

カリウムは動物性食品や植物性食品に豊富に含まれているので、通常の食事ではほとんど欠乏症はみられません。しかし、激しい嘔吐や下痢の場合や、利尿降圧剤の長期使用の場合などでは、カリウムの排泄量が増し欠乏することがあります。

過剰症も通常の食事では心配ないと思われますが、腎臓の機能が低下している場合は注意が必要です。カリウムは大部分が尿中に排泄されますが、腎不全などで腎機能が低下するとカリウムがうまく排泄されなくなり高カリウム血症になります。

腎機能は加齢により衰えてくるため、腎臓疾患は高齢者に多く見られます。腎機能の低下により人工透析を受けている人の割合は60~74歳までが全体の透析患者の39%、75歳以上が40%近くを占めています。腎臓に障害がある場合は、医師からカリウムの摂取量を制限される場合があります。

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 1-6 極端な低タンパク

忙しさやダイエット、さまざまな要因で食生活がおろそかになると、私たちの体に必要不可欠なタンパク質も不足します。以下に一つでも思い当たることがあったら、あなたもタンパク質が不足しているかもしれません。

ダイエット中は食事は常に低カロリーを意識している、忙しいので簡単に食事を済ませてしまう、運動しても体力がつかない、髪にコシがなくなってきた、肌にハリやツヤがなくなってきたと感じている、なんだか集中力がなくなってきた気がする。

人間の体は約10万種類のタンパク質から構成されています。そしてこのタンパク質はわずか20種類のアミノ酸が数十~数百個以上の鎖状につながってできています。20種類のアミノ酸のうち9種類は体の中で作り出すことができないため、食物から摂ることが必要です。

低カロリーの食事ばかりをしていると体に必要なエネルギーを確保しづらくなります。体内に入ってくるエネルギーが減少すると体は危険を察知して、筋肉を分解することで生きていくために必要なエネルギーを作り出します。必要なエネルギーを補給しないまま生活していると、エネルギー源を筋肉に頼らざるを得なくなり筋肉量が減ってしまう可能性があります。

やる気を出してくれるドーパミンや気持ちをリラックスさせるセロトニンなどの神経伝達物質は、アミノ酸(タンパク質を作る最小成分)からできています。そのためタンパク質が不足すると、神経伝達物質が脳内で普段のように作られず働きも鈍くなってしまいます。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、私たちの生活において一日あたりに必要とされるタンパク質量は成人男性で50g、成人女性で40gと定義されています。可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。

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 1-7 運動の奨励

以前は、慢性腎臓病(CKD)の患者が運動すると蛋白尿が増えて腎障害が悪化するといわれ、なるべく安静を保つことが原則でした。腎臓病の患者に運動は無縁のものと考えられていました。

最近になって、適度な運動は腎機能の低下を防ぎ、透析など腎代替療法への移行を遅らせること、そして死亡率も下げることがわかってきました。こうしたことから、現在は慢性腎臓病の患者にも適度な運動が勧められています。講師紹介

運動のしすぎは病気を悪化させるおそれがあります。健康な人でも、過激な運動によって急性腎不全を起こすことがあるくらいですから、腎臓病の人はとくに注意しなければなりません。しかし、極端に運動を制限するとかえって体力を低下させてしまいます。

運動の強さの感じ方は、人によって違います。目安としては、誰もが楽しくて気持ちよい、むしろ物足りないと不満が残る程度の運動がおすすめ。最初はラジオ体操程度から。長くても往復30分程度のウォーキングなどが適当でしょう。

慢性腎臓病の患者さんに勧められる運動の種類は、有酸素運動(ウオーキング・サイクリング・水泳など)、レジスタンス運動(ダンベルを使った運動・ゴムチューブを「使った運動・スクワットなど)、またはそれらを組み合わせたプログラムになります。

運動を無理なく続ける工夫とコツは、最初から長時間がんばるのではなく、1日に10分だけよけいに歩くなど運動を少しずつ生活に取り入れます。遠回りして歩く、エレベータやエスカレータをなるべく使わない、バス停や駅は1つ手前で降りて歩く、仕事中はなるべく階段を使うなどを取り入れます。

歩数計を付けて歩くのはお勧めですが、音楽やラジオを聞きながらは、交通事故に遭遇することが多いのでやめましょう。他人と話しながら続けられる強さの運動で、運動中や後に息苦しさや痛みを感じないようにしましょう。翌日に疲労が残るような激しいスポーツは避けます。

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 1-8 サルコペニアの予防

サルコペニアとは筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、生活の質の低下、死のリスクを伴うものと定義されています。その中でも、失われた筋肉が脂肪に置き換わった状態をサルコペニア肥満と言われています。

  1-9-1 指輪っかテスト

特別な機器を使用しないサルコペニアを発見方法は、親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎの一番太い部分にはめてみます。指がしっかりと重なってしまったりふくらはぎと指で作った輪っかの間に隙間ができてしまったりする場合は、ふくらはぎがかなり細く、サルコペニアの疑いがあります。

  1-9-2 片足立ちテスト

片足立ちの状態で、靴下をはくことができるかを確認してみましょう。バランスを崩して足をついたりしてしまう方は要注意です。また、腕組みをした状態で椅子に座り、片足で立ちあがってみましょう。左右どちらでも立ち上がることができない方は要注意です。

  1-9-3 横断歩道で確認

横断歩道を渡るときに、青信号で渡り切れるかを確認してみましょう。横断歩道が渡り切る前に信号が赤に変わってしまうと、歩くスピードが落ちている、つまり下肢の筋力が低下している可能性があります。信号の長さや交通量にもよりますが、今までは青信号で渡り切れていた横断歩道でで渡り切れなくなっている場合は特に要注意です。

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  1-9-4 サルコペニアの予防法

サルコペニアの予防には、筋肉を減らさないような適度な運動と栄養摂取の2つが有効です。運動は筋力トレーニングを中心に行うようにしましょう。サルコペニアでは主に下肢の筋肉が減少していきます。

下肢の筋肉はスクワットやもも上げ、つま先立ちなどにより鍛えることができます。週に3~5日程度を目安に無理のない範囲で行ってみましょう。また、ウォーキングを行う場合も、歩く速さを早める、ウォーキングコースに坂を加える、など少しの工夫で、筋肉量のアップにつながります。

栄養摂取は、特に筋肉のもととなるたんぱく質の摂取が大切で、たんぱく質が多く含まれる食材は、肉や魚、大豆、卵などです。必要なたんぱく質の量も目安は「手のひら1枚分」と言われています。

高齢になると、お肉や魚などたんぱく質をはじめ、食事全体の量が減り低栄養状態になる方も少なくありません。たんぱく質はもちろん、野菜やごはんなどもきちんとバランスよく食べるようにしましょう。

サルコペニアの予防方法は特別難しいことはありません。「適度に動き、バランスよく食べること」が大切です。加齢に伴い運動量が減った、食事量が減ったという方は、今一度普段の生活を見直してみましょう。

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2 腎臓病になる原因

以下の項は、参考図書で学んだことと実践していることをまとめました。

 2-1 腎臓の最少知識

腎臓は左右に2つあり、尿をろ過する機能を受け持つのはネフロンといいます。ネフロンはそれぞれの腎臓の中に100万個ずつ、計200万個あります。200万個のネフロンは常時フル稼働をしているわけではなく、普段は6~10%程度が稼動していると言われるので、腎臓は十分余裕を持って作られている臓器です。

事故や老化によって2つのうちの1つを失っても、残りの1つで十分日常生活を送ることができます。また、腎臓病になっても壊れる速度はかなりの長期にわたり、そう簡単には潰れないように出来ています。

腎臓は肝臓のように再生しません。腎臓は壊れにくい臓器ですが使い方次第で急激に悪化することもあります。腎臓病の方は、腎臓を大切に使う方法を身に付けて自分自身で管理して行きましょう。

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 2-2 血液が届かない細胞

人体には60兆個という膨大な数の細胞があります。個々の細胞は酸素と栄養を吸収して活動し、二酸化炭素と老廃物を排出しています。細胞に酸素と栄養を供給して排泄物を回収するのは血液です。

体内には総延長10万キロメートルの毛細血管が張り巡らされています。この毛細血管は筋肉の中にもあり、筋肉の動きに合わせて血液の循環を行っています。この血流を促すことが大切になります。

健康体であれば、心臓が酸素と栄養豊富な血液を送り出して丈夫な血管は体の隅々まで届け、60兆個すべての細胞が元気に活動することができます。全ての細胞が元気で活動している状態が真の健康と言えるのです。

長い年月を生きていると、食事の好みや姿勢の歪み、ストレスなどの様々な要因により体の老化が進みます。新鮮な血液は衰え丈夫な血管も破損すると、細胞に十分な酸素と栄養が届かなくなっていきます。

このようになると、体のあちこちで細胞の萎縮がはじまりやがて細胞は死を迎えます。とは言え60兆個の細胞の1つが死んでも命に別状はありません。しかし、ある一定量が死滅すると単なる不具合から病気へと発展してしまいます。

自覚症状がなく生活に支障もなければ、病気はそのまま放置されてしまいます。血液の届かない状態を放置し続けることで病気はどんどん進行し、気づいたときには取り返しのつかない不治の病になってしまいます。これが一般的に生活習慣病といわれる病気の辿るコースです。

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腎臓病もこのような過程を辿る病気で、様々な要因により腎臓への血流が滞ることにより発症し、自覚症状のないまま長い時間を掛けて病気が進行し、やがては尿毒症で破壊されて腎臓は機能を失ってしまいます。

生活習慣病のように長い年月をかけて血流が滞ってしまうことにより発症する病気は、一つの臓器だけが壊れて隣の臓器は元気ということはありえません。体全体の血流が滞ってくれば、すべての臓器が弱ってくるのです。

現在の日本における治療は体全体を診て治療するのではなく、臓器別に専門化されているため一の臓器が良くなっても体全体が良くなることはありえません。現れた症状に捕らわれ、残念ながら病気の発症原因そのものを治療するという視点を失っているのです。

病気を改善するには人間ドックなどで検査してもらい、なぜそのような検査結果が出るのかをネットなどで調べ、その症状を改善させる方法を探すべきです。病院へ行っても病気を治してもらえると思わないことです。

ちまたには正当医者と商売医者がいます。検査数値を診ながら「体調に変化はありませんか」と尋ね、引き続き同じ薬を飲むよう指示するのは商売医者。商売医者に自分の体をゆだねていたのでは、改善できる病気でも薬を手放せなくなってしまいます。

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 2-3 生活と食習慣による負担増

  2-3-1 塩分と高血圧の関係

腎臓病は幾つかの遺伝性のものを除いて、そのほとんどは生活習慣病といわれます。自分にとって便利で快適で負荷のかからない生き方を好むのが人間です。各自が独自のライフスタイルを持っていますが、この大切にしてきたライフスタイルが、病気発症の原因となっている場合が多いのです。

腎臓は塩分と水分を尿として排出する機能を持っています。味の濃い食事を好む人は塩分を取りすぎることで腎臓に大きな影響を与えます。塩分を取りすぎると高血圧になりやすく、放置していると腎臓の血管が動脈硬化を起して腎硬化症になりかねないのです。

動脈硬化になると腎臓に送られてくる血液量が不足するようになります。仕事が大好きな腎臓は血液量を増やそうとして、レニンというホルモンを分泌して更に血圧を上げてしまいます。このように腎臓の動脈硬化症と高血圧は大きな関連があるのです。

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  2-3-2 暴飲暴食や野菜嫌い

暴飲暴食を続けると糖尿病や脂質異常症、心臓病などを発症するリスクがあります。特に、糖尿病は長期間高血糖状態が続くため、血液と血管がボロボロになり糖尿病性腎症を発症しがちとなります。

野菜が嫌いで肉ばかり食べている人は、肉類に含まれるプリン体が蓄積し高尿酸血症になりがちです。尿酸値が高い状態を放置したままでいると、尿路結石や高尿酸血症やがて痛風腎を発症します。

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  2-3-3 肥満

暴飲暴食を繰り返す運動不足の人は肥満になりがちで、肥満を放置しておくと糖尿病を発症します。糖尿病が更に進行すると糖尿病性腎症に発展し、43%の人々は透析が必要になる恐ろしい病気です。

他に、喫煙や飲酒、ストレスの溜まる生活は血管を締め付け高血圧症となり、ひいては腎臓病を発生することに繋がります。ちょっとした生活習慣の歪みは、すべて腎臓病に繋がっていると言っても過言ではありません。

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  2-3-4 体のゆがみ

姿勢も腎臓病に関係すると言われます。だれもが利き腕や利き足を持ち、左右のどちらかに重心をかけて行動しています。この結果、長い年月を生きていると、必ず体に歪みが出てきます。

肩甲骨の可動域が狭くなったり、歩幅が小さくなったり、歩くときに足の小指側に重心を乗せて足首を使わずに歩いたりと、様々な現象が出てきます。この結果、首筋や肩の凝り腰痛や関節痛を発症します。

肩こりや腰痛で筋肉を固めてしまうと、毛細血管内の血流が滞ってしまい、体の歪みは体全体の血流を滞らせることになり、腎臓にも大きな負担をかけることになります。肩こりや腰痛はマッサージでは改善できず、かえって重症化させてしまう場合があります。

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  2-3-5 老化といえども

人間は年を重ねる度に全身が老化が始まり、それに伴い内臓も老化して年齢と共に機能が低下していきます。年の取り方が人それぞれ違うように、腎臓機能の衰え方もライフスタイルや食事の取り方などにより違ってきます。

腎臓機能が衰えていても若いころは体力もあるので、病気を自覚することもその進行にも気が付きません。国民の8割は自覚症状もなく、腎臓病にかかることもなく人生を全うしています。

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3 腎臓病を改善させる

以下の項も、参考図書で学んだことと実践していることをまとめました。

 3-1 腎臓の機能診断

筋肉が運動するために、重要なエネルギー源となるのはクレアチンリン酸という物質です。クレアチンリン酸が代謝されたあとにできる老廃物をクレアチニンと言います。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血中のクレアチニンの濃度が上昇していると腎臓の機能が低下していることを意味します。

クレアチニンの検査は腎臓の機能を調べる上でポピュラーな検査ですが、数値は筋肉の量に左右されるため男女差が大きく、また腎臓の機能が半分程度まで低下しないと高い値を示さないという欠点があります。

クレアチニンの数値は、mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)という単位で表されます。基準値は各検査機関ごとにばらつきが見られますが、人間ドック学会においては以下のような基準値を採用しています。

 (男性)基準範囲:1.00以下 要注意:1.01-1.29 異常:1.30以上

  (女性)基準範囲:0.70以下 要注意:0.71-0.99 異常:1.00以上

クレアチニンが高値を示す場合、腎臓に何らかの異常が起きていることが考えられ、急性腎臓病・慢性腎臓病・心不全などが疑われます。心不全が起きると、腎臓に血液が流れにくくなって老廃物が排泄できなくなってしまいます。

腎臓の機能不全が慢性的に続くようになると、夜間頻尿・けん怠感・むくみ・息切れなどの症状が現れます。このような自覚症状が出ると、すでに病はかなり進行しているといえます。

近年ではより精度の高い検査である、推算糸球体濾過量(eGFR)の検査を追加して行うことが多くなってきました。この検査はどれくらい腎臓に老廃物を尿へ排泄する能力があるかをしるもので、この値が低いほど腎臓の機能が悪いということになります。

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 3-2 対症療法と原因療法

病気の治療には2つの方法があります。1つは対症療法で、2つ目は原因療法といいます。疲れ、高血圧、尿酸値など腎臓病の症状を抑えるのが対症療法です。これは、薬の副作用が出ていないかを検査していればよいので、医師にとっては簡単な方法と言えます。

対症療法は、むくみが消え、血圧が安定し、尿酸値が安定しても、それらの症状原因を治していないから薬を一生飲み続けることになってしまいます。これは患者にとって最も避けたい方法です。

対症療法に対して、むくみも高血圧も尿酸値が高い状態もすべて1つの原因から発症しているはずと考え、病気の原因を追究し、その原因を取り除こうと言うのが原因療法とか根本療法と呼ばれるものです。

初めて腎臓病と診断されたときの医師の第一声は「塩分に気をつけてください。様子を見ましょう」と言います。その時、クレアチニン値が低ければ「3ヵ月後においでください」となり、時間が経つにつれて受診期間が2ヶ月になり、1ヶ月になり3週間毎になっていきます。

医師の治療とは、病気の進行に伴う尿毒症の対症療法を行いながら、透析に入るまでの様子を観察し、透析に入れるタイミングを計ることです。腎臓は、一度壊れてしまうと再生は出来ません。

現在の医療は、エコー検査などで腎臓機能が衰え萎縮している様子を見ることはできます。腎生検を通して、腎臓のどこが壊れて発症したかが分かるようになってきました。症状を抑える治療は大変発達してきましたが、腎臓病を発症した原因を治すまでには至っていません。

幸いなことに、壊れ始めてから透析に至るまでには相当な年月があります。壊れて行く腎臓を日々大切に使い、出来るだけ壊さないようにするのが、現在のわたしたちにできる腎臓病治療といえましょう。

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 3-3 腎臓病は完治しないが

腎臓病は不治の病で、クレアチニンの数値は「一度下がったら二度と回復することはできない」と言われています。今の医療で腎臓病を治すことは出来ませんが、腎臓病患者は治療してもらおうと病院へ行きます。

医師は原因療法や根本療法を避けて簡単な対症療法を選択し、むくみの薬・血圧の薬・尿酸を下げる薬などなど、患者と呼ばれる方々が最も歓迎しない家畜に食わせるような多量の薬を飲むよう指示します。

様々な症状で苦しんでいるときは別ですが、腎臓病の治療とは自分で考え自分の壊れかけた腎臓を大事に使っていくことです。医師が治すことができない腎臓病は、当事者である自分にしか現状を維持させることが出来ません。

一般的にクレアチニンの数値が1.00を超え、腎機能に支障があると診断されたときには腎機能の半分が壊れています。1.00の時、半分の細胞が死滅して残りの半分の細胞が元気というわけではなく、瀕死の状態の細胞までさまざまな健康状態で混在していることになります。

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 3-4 腎臓改善の考え方

クレアチニンは下がらないと言うのが医療界の常識です。約20年分の検査数値を表にしてみると、クレスチンは0.99~1,4までの間で変動しています。本人の体調や検査機関によりかなり数値のバラツキがあるので、正確なことは分かりません。

一つ言えることは2015年の4月から時々簡単な腎臓ストレッチを始め、2017年から毎朝腎臓ストレッチを続けていると、1.4と言う数字にはお目にかからなくなりました。腎臓ストレッチを朝昼晩の三回にするともっと数値が良くなるかもしれません。

2018年9月5日の午前2時に巨大台風に襲われ、翌6日の午前3時に震度5弱の地震に襲われました。今後何が起こるか分からないので、9月8日から腎臓ストレッチを朝昼晩だけでなく気づいたときにも行うようにしました。どんな結果が出るでしょう。

1999.7.282001.6.222002.6.172004.6.12006.6.30
尿素窒素 15.6  14.5  17.7  14.3  17.9
クレアチニン  1.1  1.2  1.2  1.3  1.3

2006.12.182007.2.232007.4.252007.7.312007.9.13
尿素窒素 14.7  13.8  ー  14.4  17.4
クレアチニン  1.15  1.17  1.20  1.19  1.28

2007.11.132008.1.152008.4.12009.2.92008.6.12
尿素窒素  15.1  19.4  18.5  17.5  20.6
クレアチニン  1.14  1.09  1.24  1.22  1.17

2009.4.720109.4.132010.4.262010.7.62010.9.3
尿素窒素  16.0  17.9  18.1  22.4  19.2
クレアチニン  1.2  1.4  1.13  1.4  1.2

2010.10.292010.11.12011.1.202011.3.222011.5.19
尿素窒素  14.9  16.3  22.0  16.0  23.1
クレアチニン  1.3  1.3  1.4  1.3  1.4

2011.7.122011.9.132011.11.72012.1.312012.3.23
尿素窒素  14.3  14.8  18.1  20.4  15.5
クレアチニン  1.4  1.4  1.4  1.21  1.27

2012.4.242013.5.162015.1.722015.5.182016.1.25
尿素窒素 14.9  16.6  12.0   17.5  ー
クレアチニン 1.13  1.16 0.99  1.14  1.18

2017.1.162018.2.222018.6.122018.8.32018.10.11
尿素窒素  ー  ー  16.3  ー 
クレアチニン  1.04  1.2 1.12  1.06 

蛋白が体の中で分解されたときにできる物質の一つに尿素があります。尿素はすべて腎臓から排泄されます。尿素窒素の基準値は8.0~21.0ですから、上記の検査数値は3回を除くと基準値内です。

尿素の排泄に最も関係するのが、腎臓の糸球体という血液の濾過を行う部分の濾過の大きさです。この能力が正常の半分くらいに障害されると、血液中の尿素窒素の値が上がってきます。

腎臓の排泄能が低下すると尿素が血液中に溜まってくるので、血液中の尿素を測定すれば腎臓の排泄能力を知ることができます。尿素は窒素を含んでいますのでその窒素を測定して表します。上記の検査数値から排泄能力に問題はないと思えます。

2009年1月から通院を始めた内科クリニックで、初診の時に遠方の病院で腎臓機能障害の恐れがあると言われたので尿酸窒素とクレアチニンに留意を依頼したが、尿酸窒素の検査はなくクレアチニンも10年間で2回のみ、薬を飲みなさいと言う注意だけ。

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 3-5 血流の促進

腎臓の機能回復を図ろうとするなら、弱っている細胞に新鮮な酸素と栄養をたっぷり与えれば人間と同様元気になるはずです。それには、腎臓の血流を活性化すればよいと分かります。血流を盛んにして疲労しきった腎臓の機能全体が回復すると、クレアチニンの数値も下がるはずです。

全身の血流を活性化して腎臓に新鮮な酸素と栄養豊富な血液を送りこめば、元気な細胞は今まで以上に元気になり、疲れた細胞は疲労を回復し、病気の細胞も徐々に治って働けるようになる。瀕死の細胞も息を吹き返しやがては元気になるでしょう。

全身の血液を循環させるため、人体の第2のポンプであるふくらはぎの筋肉を強制的に動かすことにより下半身の血流を活性化させます。群馬県中之条町の65歳以上の全住民5千人を対象に、日常の身体活動と病気予防の関係についての調査研究が、2000年以降継続的に実施されています(現在も継続中)。

15年以上続けて行われた中之条研究で得られたのは、健康維持・増進、健康寿命の延伸には、1年の1日平均歩数が8千歩以上で、その内その人にとっての中強度活動(速歩きなど)時間が20分以上含まれていることが期待されるというものです。

我が国の医療費の3分の2を占めると言われる11の病気・病態の予防基準についても日常の身体活動の量(歩数)と質(中強度活動時間)で説明できるようになりました。これが正当医学の成果です。以下の表は健康長寿研究所のホームページより転載しました。

身体活動からわかる予防基準一覧 

 

中程度の運動により、ふくらはぎの筋肉が強制的に動かされて下半身の血流が活性化します。しかも、中程度の運動を含む強弱の歩行ですから、下半身だけでなく上半身や頭への血流も一緒に活性化します。

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 3-6 筋肉のロックを解消

毛細血管は筋肉の中にあり、運動不足や体のゆがみによって筋肉が固まってしまうと、中にある毛細血管が締めつけられて血流がよどみます。肩こりや腰痛のように固まってしまった筋肉をリセットしてやると、締めつけられた血管がゆるんで血流が回復します。

筋肉の中に「筋紡錘」というセンサーがあります。このセンサーが筋肉の収縮を感知して神経へ伝達します。筋肉が伸ばされていると、縮めという「ストレイン信号」を出します。筋肉が伸ばされれば伸ばされているほど、信号は強くなります。

これが正常に働いていれば問題ありませんが、筋紡錘に急激な負荷がかかると実際の筋肉の伸び縮みと信号との間にズレを生じます。急激に筋肉が縮んで元に戻ったときに、正常な値よりも強い信号を出してしまうのです。

ストレイン信号が出ているということは、まだ筋肉が伸ばされていると筋紡錘が判断して筋肉を縮めます。この時に筋肉が縮んだ状態でロックされます。筋肉がロックされると筋肉が縮んでいる状態なので硬くなります。

まず、固くなった筋肉を探します。グリグリっと押さえてみると、固いと感じる(違和感を感じる)筋肉が見つかります。硬くなった筋肉をたるませるようなイメージで、痛みや(違和感を感じる)が消える姿勢を探します。

リラックスして痛みや(違和感を感じる)が消える姿勢を90秒間続けます。その後は手を添えるなどしてゆっくり元の位置へ戻します。90秒間というのはストレイン信号をリセットするために最低必要な時間です。

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ストレイン信号をリセットするための動作は、毎日やっても意味がありません。固いと感じる(違和感を感じる)筋肉が複数あれば一ヶ所ずつのローテーションをつくります。連続しても無意味でなのは、筋肉の修復には最低3日くらいかかるからです。

注意すべきことは、痛いと感じる姿勢は絶対にとらないことです。お腹側の筋肉はゆるんでいても、背中側の筋肉が痛いような場合は、別の痛みが出てしまう恐れがあります。絶対に無理は禁物です。

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 3-7 簡単な腎臓ストレッチ

腎臓は肋骨の下に位置するそら豆みたいな形の臓器です。呼吸とともに動いてしまう肋骨を押さえて腎臓に刺激が加わりやすくなるようにすることで、腎臓のうっ血を解消します。ただし、直接腎臓に力を加えるようなマッサージはやめてください。

尿をろ過する機能を受け持つネフロンの中には、血流が滞ってしまうネフロンもあるでしょう。血流が滞ったネフロンは尿をろ過する機能を十分に発揮できません。ネフロンに溜まっている血液を流し出す手助けができれば、ネフロンは尿をろ過する機能を活性化できます。

へその周りには「兪」という腎臓疾患や慢性的消火器疾患の改善胃効果があるツボがあります。背中には腎臓の疲れ、生殖器疾患、疲労やだるさに効果的な「志室」というツボや、腎臓の他に膀胱や前立腺の疾患に効く「陣兪」というツボもあります。

腎臓ストレッチでこれらのツボを刺激させます。腎臓を変形させることで腎臓に溜まっていた血液の排出を促し無理のない血流を確保します。

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簡単な腎臓ストレッチ

① 椅子に浅く腰かけます。

② 両肘を手のひらで包み込むようにして腕を組みます。

③ 肋骨の一番下がしっかりねじれるように、上半身をゆっくり左右に振ります。

④ ゆっくり右へ捻ったら、次はゆっくり左へ捻ります。これを5回ずつ繰り返して1
  セットです。朝昼夕にゆっくり試してください。

⑤ 忘れっぽい方は、トイレで洋式便座に腰を下ろして用を足した後に腎臓ストレッチ
  をお勧めします。

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参考資料:体の痛みの9割は自分で治せる(鮎川史園、PHP文庫)、最新医学情報99(池谷敏郎、祥伝社)、最新「薬」常識88(池谷敏郎、祥伝社)、医学常識はウソだらけ(三石巌、祥伝社)、ありがとうございます。