はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第10章 ピロリ菌の除菌

3年連続して人間ドックで、胃に「下部アレア不同・胃角変形・中部小彎壁不整」の疑いがあるとされました。40代で胃潰瘍や十二指腸潰瘍を経験し、ピロリ菌に感染していると胃がんになりやすいと言わます。検査で常人の二倍以上というピロキ菌の量に仰天。

1 悪さを始めた予感

以前通院していたS内科医に「胃にピロリ菌がいますね。いまのところは悪さをしていないので心配いりません。」と言われました。その後の人間ドックで、三年連続して胃に「下部アレア不同・胃角変形・中部小彎壁不整」の疑いがあるとされました。

日本人は先進国の中でも高いピロリ菌感染率を示し、50代以上の日本人は80%程度まで感染しているそうです。ピロリ菌の感染率は衛生環境と関連するようで、子供のころの不衛生な環境にあるらしいとされます。上下水道が整備されていないような地域や国ではおもに口から入ってくるようです。

2001年に、日本人の約1万5千人を対象にピロリ菌感染の有無を10年間追跡調査した結果が発表されました。この調査で、感染していた人の3%が胃がんになり、感染していなかった人では1人もいなかったとの結果が出ています。

40代で胃潰瘍や十二指腸潰瘍を経験し、自然治癒しましたがピロリ菌がいると再発する確率は72%高くなると言われます。3年続けて同じ指摘を受けたので、悪さを始めたかもしれないピロリ菌の除菌をお願いしました。

トップへ戻る

2 ピロリ菌を訪ねて

健康保険を適用してピロリ菌を除菌するには、ピロリ菌の存在を確認しなければなりません。もっとも精度の高い診断法とされている尿素呼気試験法は、尿素を含んだ検査薬を内服して服用の前と後で呼気に含まれる二酸化炭素の量を比較する検査方法です。

ピロリ菌は胃粘液の成分である尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解して、アルカリ性のアンモニアを体にまとって酸性の胃の中を動き回ります。この化学作用で大量に残った二酸化炭素は呼気として排出され、二酸化炭素の量を測るとピロリ菌の存在を確認することができます。

鼻から吸い込んだ空気を専用の袋に吹き込むだけで、呼気を比較するため試薬使用前と使用後の2つのパックを使いました。試薬使用前に鼻から吸い込んだ空気で呼気検査袋を膨らませます。診断薬を飲んで5分横になり、15分腰かけて休んでから再び鼻から吸い込んだ空気で別の呼気検査袋を膨らませます。

感染している人の呼気に含まれる二酸化炭素の量は、平均4.6%といわれます。検査の結果は平均の二倍以上の11.6%という数値が現れ、多量のピロリ菌を飼育(?)していることがわかりました。

トップへ戻る

3 ピロリ菌の正体

ピロリ菌は胃の中に生息する「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌の略称で、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因になっていることがわかってきました。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人の80~90%はピロリ菌に感染していたのです。2105年に「ヘリコバクター・ピロリ菌の発見と胃炎、胃・十二指腸潰瘍における役割の解明」という功績に対し、ウォーレンとマーシャルにノーベル賞が授与されました。

ピロリ菌は決して強力な菌ではありませが、胃の粘膜に生息しているらせん形をした菌で、子供の頃に感染し、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。胃粘膜を覆っている粘液層の中に潜り込み、粘膜の表面にくっついたり、細胞の間に入り込んで増殖し、胃粘膜に様々な障害を与えます。

早期胃がん内視鏡治療を受けた人のピロリ菌を除菌すると、別の部位にできる新しい胃がんの発症率が3分の1に減少しました。ピロリ菌に感染していると胃がんになりやすいことがわかり、除菌で胃炎の進行を予防すると胃がんの発症を抑制することができる可能性があるとされています。

トップへ戻る

4 除菌の開始

ピロリ菌の除菌薬は、ペニシリン系の抗菌剤とマクロライド系の抗菌剤、胃薬がセットになっています。二種類の抗菌剤を使うのは、一方が効きにくい場合にもう一方の抗菌剤がカバーしてくれるからです。抗菌剤は胃の粘膜をあらすことがあり、胃酸が過剰に出ている場合は胃の中で抗菌剤の効き目が低下する恐れがあります。したがって胃薬が必要になるのです。

3種類(2種類の抗菌剤と1種類の胃薬)の薬剤を同時に服用すると、ピロリ菌を除菌する効果が発揮できます。抗菌剤はピロリ菌だけを狙い撃ちする薬剤ではなく、体の中に棲んでいるさまざまな菌に対して少なからず影響を及ぼします。なかでも「腸内細菌叢」と呼ばれる細菌群は大きなダメージをこうむります。この「腸内細菌叢」は、消化や吸収に大事な役割を担っているため、この菌が正常に働かないと消化不良を起こして軟便や下痢ぎみになります。

副作用の2つ目は「味覚の異常」です。薬は服用後速やかに体内に吸収され、体中のさまざまな組織の中に取り込まれます。なかでも唾液中に多く移行するため、薬剤そのものの味である「苦味」が口腔内にあらわれます。金属を噛んだときのような味がするのが特徴ですが、は個人差が大きくまったく感じない人もいます。

トップへ戻る

5 過剰すぎた反応

除菌のため、三種類の抗生物質を朝夕二回忘れずに服用するよう指示され、薬の服用期間中は副作用でおなかが緩み下痢気味になると説明がありました。70代に入っているので、おなかが緩んで下痢気味になれば粗相も考えられます。薬を服用する前に薬局へ行きすっきりうす型しっかり吸収という「大人用の紙パンツ」を購入しました。ピロリ菌駆除の薬

翌日からピロリ菌除菌の開始です。紙パンツを履くとずいぶん暖かく感じますが、尿を吸収するように作られているので湿気は感じられません。朝食と夕食後の2回、2種類の抗生物質と胃薬がセットになった「ランサップ800」のカプセル4個と錠剤2個を7日間14回忘れずに飲み続けました。

自宅で測定している血圧は150代が続いているので、4月15日に血管拡張薬をもらうため循環器内科へ行きました。病院で測定した血圧も152と高い数値を示しています。ピロリ菌の薬の飲み続けていた7日間は粗相防止のため紙パンツを履き続けた話をすると、そんなに驚いたのですかと医師も看護師も大笑いしました。

引き続き血管拡張薬二週間分の処方せんを受領して調剤薬局へ行くと、ピロリ菌除菌期間中はおなかが緩みますと注意した薬剤師が出てきました。あなたが下痢気味になると脅かしたので、大人用の紙パンツを履き続けましたというと、薬剤師も薬を待っている人も大笑い。すべての人を笑いで健康にしてきました。

トップへ戻る

6 さらばピロリ菌

ピロリ菌除菌薬を飲み終わって一ヶ月後、効果を調べるため再び尿素呼気試験法の検査を受けました。しぶとく生き残ったピロリ菌は胃の中に入ってきた検査薬の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成するはずです。

尿素の分解で生じた二酸化炭素は、速やかに吸収されて血液から肺に送られ、呼気の中に炭酸ガスとして排出されます。ピロリ菌が駆除されると尿素は分解されないので、二酸化炭素はほとんど排出されません。

1回目で除菌できなかった場合は、抗生物質の1つを別の薬に変え、再び7日間かけて2回目の除菌を行います。2回目の除菌も正しく薬を服用すれば約80%を超える確率で成功します。1回目も2回目も除菌の成功率は約80%を超えるので、1回目と2回目の除菌療法を合わせた除菌率は95%を超えることになります。

恐る恐る医師の前に置かれた丸椅子に腰を下ろすと、カルテを見ていた医師は振り向いて「おめでとうございます。尿素呼気試験法で二酸化炭素は検出されません。ピロリ菌の除菌は成功したので安心してください。」とおっしゃいました。

あなたもピロリ菌を飼育(?)しているようでしたら、薬を飲み続けるのは朝夕のわずか一週間です。胃がんになって胃とお別れしたり、手遅れでこの世とお別れする前に駆除しましょう。

トップへ戻る