はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第9章 狭心症と血圧

10年ほど前から心臓の軽い発作を感じ、2014年3月はいつもと違う発作でした。循環器内科で血管拡張薬の投薬を受け、ニトログリセリン含有薬を持ち歩きました。血圧について調べるとおかしなことに遭遇し、精密検査で心臓に問題はみられません。

1 狭心症の発作

1-1 心臓の痛み

2014年3月26日午前7時20分頃、パソコンに向かっていると心臓付近に強い刺すような痛さと共に、息ができないような圧迫感を感じました。胸がしめつけられる感じがするので身体を前方へ折り曲げるようにして痛みを堪えると、胸から上腹部(胃のあたり)にかけて痛みが広がり、奥歯が浮くようながイガラッポさ20感じます。

20年ほど前から年に1回程度、心臓付近に強い刺すような痛みと共に左胸が締め付けられるような痛さや、奥歯のイガラッポイ感じを経験していました。左胸が締め付けられるような感じと共に圧迫感を伴う痛さは初めての経験で、これまでとはちょっと違うと感じました。

2008年から2013年までに4回受けた人間ドックで、食道にバリウムの逆流を指摘されました。若いころは時々強い胸やけがあり、胃酸が口まで上がってくることもありました。人間ドックの医師は、逆流性食道炎の診察を受けるよう勧めていました。

飲酒量が10分の1以下に減った定年退職後は胸やけが消え、さつまいもも食べられるようになりました。内科で逆流性食道炎の診察を受けていませんが、自覚症状が消えていることと尿酸排出で水分摂取を心掛けているので問題はないと考えました。

胸の奥に強い痛みがあり胸がしめつけられる感じがしても逆流性食道炎とは思えず、老化による動脈硬化や悪玉コレステロールによる動脈のつまりが気になりました。逆流性食道炎の症状は狭心症と紛らわしいので、循環器内科での検査を優先すべきと考えました。

2014年3月26日の痛みは狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患が疑える「放散痛」と自己診断し、健康保険証と診察券をもって近くの大きな病院へ行きました。循環器科の診察は午後と言われ、受付だけでもしてもらおうと問診票に症状を詳しく書きました。

受け取った看護師は問診票を読み、「ちょっとお待ちください。」と事務室へ入っていきます。待合室で知り合いと話をしていると看護師に呼ばれ、「午後の診察では遅すぎるので、すぐ専門医の診察を受けるよう医師の指示がありました。」と云います。

素人なので専門医がわからず「病院が推薦する近くの専門医を紹介してください。」とお願いしました。看護師は受付のカウンターにあった地図にしるしをつけて、「タクシー利用ですぐ診察を受けてください。」と急がせます。

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1-2 軽い症状

病院前に止まっているタクシーに乗ると、5分ほどのところに循環器内科医院があります。問診票に経験した症状を書いて提出すると、10分ほどで診察が始まり血圧は165まで上がっています。

心電図は正常で、冠動脈の硬化度は70代後半、動脈の詰まり具合は正常範囲内です。心臓のエコー検査で、肺動脈弁から血液が右心室へわずかに逆流しています。医師は「血液が若干逆流する現象は誰でもあり、年齢相応の老化現象ですから問題ありません。心臓肥大もなく心臓は年齢よりも丈夫です。狭心症の軽い初期症状ですね。」という診断がありました。

平均119程度だった血圧が165になっていましたが、この程度の血圧で血管は破れませんよと医学バラエティ番組の見過ぎで起きた妄想を笑われました。血管拡張薬を二週間分と頓服薬のニトペン舌下錠、通称「ニトロ」の処方せんを受領して調剤薬局で薬をもらいました。

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1-3 心臓と腎臓

狭心症の発作を2回経験していた父は食道がんで他界しました。主治医から「今後の治療に役立てるため解剖をご許可いただきたい。」と申し出があり、同じ病の人を救う参考になるならと家族の意志がまとまりました。医師の説明でよくわからなかった放射線治療の結果や、食道穿孔による肺転移を確認するため解剖に立ち会わせてもらいました。

解剖室へ入ると解剖台の前に4~50人ほど看護学校の学生が並び、学生の後ろから覗き込むと肋骨が外されて内臓が見える状態でした。心臓の撮影が終わると教授は「この患者は心筋梗塞をやっているね。」と質問し、主治医が「はい、4年程前です。」と答えました。看護学生は1人、また1人と胸を押さえて出ていきます。

外された心臓を手にした教授は、概略を説明して「よくもったもんだなぁ。」と感心しています。看護学生たちは身体が硬直して質問できない状態なので、「先生。心筋梗塞を起こすとどうなるんですか。」と質問しました。教授は「見てごらん。」と心臓に軽く指を触れました。壁が破れ、指が中へ入りました。血液が供給されなかった心臓の壁は壊死し、筋肉は失われて瘢痕組織と呼ばれる薄い膜のようになっていたのです。

そら豆のような形をした腎臓は、表面が無数にへこんで血の塊も見えます。原因を質問すると「心筋梗塞を起こすと心臓内に血の塊ができ、それが大動脈を流れて腎臓にぶつかり、当たった部分は壊れて死んでしまう。大動脈の内壁もかなり傷んでいるでしょう。」と説明しながら、教授は大動脈を開きました。血の塊がぶつかった痕跡を示す、くさび形の傷が内壁の所々に残されていました。

狭心症や心筋梗塞を起こすと大動脈や腎臓も損傷します。食道がんにならなくても、父の心臓は耐える限界まできていたのです。狭心症や心筋梗塞を起こす体質は子どもに遺伝されると思われ、心臓に注意しなければと考えるようになっていました。

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2 心臓の病気

2-1 狭心症と心筋梗塞

心臓を取り巻く冠動脈は、心臓の筋肉に血液を送って酸素と栄養を届ける大切な働きをしています。冠動脈の血液の流れが悪くなった状態を狭心症といい、さらに状態が悪化して完全につまってしまった状態が心筋梗塞です。動脈硬化が進行すると狭心症を発症し、狭心症から心筋梗塞になると非常に危険です。

 狭心症心筋梗塞
血管の状態冠動脈の狭窄で、血液が流れが一時的に減る冠動脈が血栓で詰り、血液の流れが止まった状態
発症の症状締め付けられるような重苦しさや圧迫感がある痛み締め付けられるような激しい痛みを感じ不安感や重症感がある
発作の状態持続時間は1~5分程度で、長くても30分以内発作の持続時間は15分以上続き、数時間続くことも
頓服の効果ニトロの効果は多くの場合有効ニトロはあまり効果がない
心筋の状態心筋は死なずに回復できる血液が止まり一部の心筋細胞は死ぬ

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2-2 狭心症の原因

心臓は「心筋」と呼ばれる特殊な筋肉でできた臓器です。人間の場合は一日当たり平均で約10万回、一時間当たりでは約4,160回、一分間当たりでは約700回拍動しています。筋肉は酷使すると筋肉痛を起こしますが、心筋は筋肉痛を起こさない性質を持っています。

心臓の病気は、先天的な異常・生活環境・体外影響などの原因が考えられます。先天的な異常があるときは手術が必要で、心臓に強い衝撃が加えられるなどの体外影響で起こる「心室細動」があります。また、心臓にダメージが無くても血栓が心臓に送られることで心不全を起こすこともあります。生活環境を原因とする心臓病の場合は高血圧や動脈硬化などが原因となることが非常に多いと言われます。

心電図で心臓の拍動リズムは一定間隔で、冠動脈の硬化度は70代後半、動脈の詰まり具合は正常範囲内でした。塩分の摂取量を減らした野菜中心の食生活で22時には就寝する規則正しい生活ですから、狭心症の発症した原因は心臓内での血液逆流でつくられた血栓が冠動脈に送られることで一時的につまりが生じたのかもしれません。

また、歯周病菌が体内へ入ると冠状動脈の血管の壁にプラークを形成することがあります。プラークの皮が突然破れ、そこに血栓という血の固まりができて血管をふさいで胸痛が出ることもあります。天候が不順な場合は(特に気圧が変化する場合)、プラークの皮が突然破れやすいので要注意です。歯科医院で残っている歯を点検してもらう必要がありそうです。

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2-3 狭心症の予防

冠動脈にコレステロールや血栓が蓄積されて動脈が狭窄を起こすと、心臓に送られる栄養が減少して心筋の組織が弱っていきます。腎不全が起こると心臓に過度の負担が掛かりやすくなり心不全を引き起こすことがあるそうです。

狭心症と心筋梗塞をあわせて「虚血性心臓疾患」といいます。心筋梗塞は、早期に治療できれば心機能の低下を最小限に食い止めることが可能な病気です。出来れば前段階にあたる狭心症の時点で根治治療するのが理想とされています。

適度な運動や食事のバランスの見直しによるコレステロール対策が重要です。適度な運動は、脂肪分の消費によって高脂血症のリスクを軽減し、悪玉コレステロールを善玉コレステロールに変換する効果が期待できるそうです。

高脂血症のリスクを持っている状態で、運動不足が悪玉コレステロールを増加させているのが原因と思います。毎日20分以上の軽い継続運動を行うか、週3日程度は早足で1時間以上歩き回ることが必要と考えました。

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2-4 狭心症の薬

運動中や作業中ではなくパソコンに向かっているときに症状が現れたので安静狭心症といえ、病状が安定しているので安定狭心症といえます。

薬で治療する場合は、血圧昇降剤や血管拡張剤などが症状に合わせて使われます。狭心症の治療はこれらの薬を中心に、発作を起こさないように予防する、発作が起きたときはそれを鎮めるといった2つの治療を行っていきます。

狭心症にならないようにするには、生活習慣の改善(運動不足・過食・ストレス・喫煙)、冠危険因子(高血圧、糖尿病、高脂血症)の治療が肝要とされています。この中で気になるのは、運動不足と遺伝している高脂血症です。

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2-5 発作時の薬

循環器内科医よりニトロペン舌下錠を持ち歩くよう指示されました。ダイナマイトの原料であるニトログリセリンに他の物質を化合して爆発しないようにした薬で、血管拡張効果があり狭心症などに効果があります。

ニトログリセリン製剤「ニトロペン舌下錠」の使用方法を、製造メーカー(日本化薬株式会社)の資料で調べました。

ア. 座った状態で1錠を舌の下に置きます。口の中が乾いているときはかみ砕いて舌の下に置きます。1~2分で効果が現れますが、飲み込むと効果がなくなります。

イ. 5分経過しても効果が現れないときは、もう1錠を舌の下に起きます。

ウ. 更に5分経過しても効果が現れないときは、もう1錠を舌の下に起きます。

e. 3錠使用で5分経過しても効果がなければ医療機関への救急搬送が必要です。

副作用で、立ちくらみやめまい、頭痛や体のほてり、ドキドキ感が起きることもありますがしだいに軽くなります。

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3 血圧の変化

3-1 狭心症が原因か

狭心症の発作を起こしてから血圧が高くなりました。70歳になる4日前まで献血を続けましたが、血液センターの医師に「うらやましいほど血圧は安定していますね」と言われ続けてきました。毎年受診していた人間ドックの記録も「116/63」という数値でした。

血管拡張薬を飲み始めた日から自宅の血圧計で測定すると168/94、翌朝は165/53、その翌朝は165/94という数値です。軽くても狭心症の発作は起きたのですから冠動脈のどこかに狭窄が大きくなりはじめ、心臓は血液を送り込むために無理を続けて若干疲れていると思われます。

狭窄を起こした冠動脈は70年以上働き続けているので、若干肥大化した心臓が圧力をかけると血管壁が破れるかもしれません。心臓内で血液が一部逆流していたので、老化以外に僧房弁の不具合も考えられます。医学バラエティ番組の見過ぎで起きた妄想は次第に膨らんできます。

血管拡張薬を飲んでいるとそのうち血圧は下がるだろうと思い直すと、4月24日以降は最高血圧は107で最低血圧が65に落ちました。狭心症の軽い発作と血圧の上昇は関連しているように思えますが、医師から改善させるための指示などはありません。

パークゴルフを楽しむ後輩が高血圧の薬を飲み続けているので、インターネットや医療関係書籍で血圧に関することを探していると驚いた情報を発見しました。

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3-2 健康診断の不思議

健康診断は、診察および各種の検査で健康状態を調べ、健康の維持や疾患の予防・早期発見に役立てるもので健診や健康診査とも呼ばれています。平成16年度に厚生労働省が「最近の科学的知見に基づいて保険事業に係る研究」を委託しました。インターネットで公表されている研究報告書には、対象とする検診項目と考察結果が次のように書かれています。

検査項目については問診・身体診察、心電図、胸部・肺、代謝系、免疫、脂質、肝機能、尿・腎機能、血液一般、歯周疾患、保健指導については肥満、遠洋、運動、新種、禁煙、防煙、栄養補助食品、高血圧、高脂血症、糖尿病、保健指導を取り上げた。

質の高いエビデンスが得られているものから、実際の健康診査・保険事業から得られたデータに基づかない専門家の意見によるもの、専門家の意見すら見いだされないものまで、エビデンスのレベルはさまざまであった。質の高いエビデンスが得られているものに裏打ちされているものは少なくないが、その多くは外国での研究によるものであった。

エビデンスというのは、「多くの患者を対象に調査研究した結果、必要だということが確かめられている」という意味です。研究報告の結論として次のように書かれています。

研究の結果を踏まえて、現在わが国で行われている健康診査・保険事業を見直すとともに、今後、わが国においても、健康診査・保険事業をより科学的厳密性の高い方法で継続的に評価する必要がある。

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この研究報告内容について中原英臣医学博士は、著作「テレビじゃ言えない健康話のウソ(株式会社文芸春秋)」で専門用語を使わず、わかりやすく説明されているので引用させていただきました。

テレビじゃ言えない健康話のウソの表紙

研究班はそれぞれの検査項目が示している数値基準の根拠について、世界中の医学論文にあたって調べなおしました。その結果、十分な証拠があったとされるのは血圧の測定、飲酒と喫煙に関する問診だけでした。(中略)この調査の、それぞれの検査項目に対する評価について、ご紹介します。

・ 一般的な問診    明確な証拠はない
・ 視力検査、聴力検査 勧めるだけの証拠はない
・ 身体診察、聴診   明確な証拠はない
・ 腹部診察      ほとんど証拠がない
・ 心電図測定     虚血性心疾患の発見には無意味
・ 胸部X線      肺がん発見に有効との証拠はなし
・ コレステロール検査 コレステロール低下には役立つが心筋梗塞の予防には有効との証拠はなし
・ 肝機能検査(GOT・GPT・γGTP)  実施の意義を再検討すべし
・ 尿検査    糖尿病発見には不適切、腎不全を防ぐ証拠はない
・ 血球数など  有効性を示唆する十分な証拠はない(21~22ページ)

健康診断の代表的な検査24項目のうち16項目は、「病気の予防や死者の減少という視点では有効性を示す根拠が乏しい」との結論が出ています。健康診断の検査項目に医学的な根拠がないことが証明されましたが、健康診断や健康審査機関を廃止すると収入を絶たれる人々がいるので見直しは進んでいないようです。

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3-3 基準値もおかしい

中原英臣医学博士の著作「テレビじゃ言えない健康話のウソ(株式会社文芸春秋)」には、「若者と老人の正常値がなぜ同じ」という疑問も提起されています。

日本の人間ドックや健康診断で使われてきたこれまでの正常値は、驚くべきことに、男性と女性を区別してきませんでした。性別だけではありません。年齢も分けてきませんでした。そもそも二十歳の若者も八十歳の高齢者も、すべての正常値が同じであるというのは、どう考えてもおかしいと思いませんか?(61~62ページ)

1999年度から2013年度までに受けた人間ドックの「健康診断結果報告書」と、病院でいただいた数十枚の「生化学的検査結果表」を比較しました。検査機関により若干の特色が認められても、印刷された基準値の範囲は50歳のときも70歳のときも同じでした。

1999年度といえば今は亡き後輩と、居酒屋で一升ビンの日本酒をお互いに2時間で飲み干していました。2013年には日本酒を2時間で3合も飲めません。年齢と共に数値は変化するのが当然というのに、20歳から80歳までの基準値が同じというのはヘンです。

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3-4 血圧のとらえ方

世界保健デー2013年で、国立循環器病センター高血圧・腎臓化医長の岩島義雄医学博士は、「高血圧の予防と管理ーよりよい人生のためにー」で次のように述べられています。

家庭血圧での高血圧の基準値は135/85mm/Hgで、降圧目標値は、JSA2009では診察室血圧と家庭血圧での関係から得られた血圧値を暫定的に示していて、診察室血圧からそれぞれ5mm/Hgずつ引いた血圧値となっています。

高血圧の基準値は、病院などの診察室で測定した血圧が140/90mm/Hg以上の場合と、家庭で測定した血圧が135/85mm/Hg以上とされています。診察室で測定した血圧が最高最低とも5mm/Hg高くなっているのは、やさしい女性看護師やイケメンの男性看護師に心ときめくことや、馬に食わせるほど与えられる薬に対する不安などで、感情が高ぶることにより発生する誤差が見込まれているからでしょう。

WHO(世界保健機構)は最高血圧が160以上、最低血圧が95以上を高血圧としていたのを改め、1999年代に新しい分類法を発表しました。血圧の正常値を、最高血圧が140未満、最低血圧が90未満と大幅に変更し、最高血圧が140、最低血圧が90のいずれかを超えたときには「境界域高血圧」と呼ぶことにしました。

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分類最高血圧mmHg最低血圧mmHg
至適血圧 <120  <80
正常血圧 <130 <85
正常高値血圧 130~139 85~89
グレード1高血圧(軽症) 140~159 90~99
サブグループ:境界域高血圧 140~149  90~94
グレード2高血圧(中等度) 160~179 100~109
グレード3高血圧(重症) ≧180 ≧110
収縮期高血圧 ≧140 <90
サブグループ:境界域高血圧症 140~149 <90

Minds(マインズ)ガイドラインセンターの「高血圧診療ガイドライン・レビュー」で慶応義塾大学内科腎臓内分泌代謝科猿田享男名誉教授は次のように説明されています。

世界一の長寿国であることから、高齢者高血圧の治療指針に関しては特に詳細に記載された。若年・中年者の降圧目標を130/85mmHg未満とし、高齢者は前期高齢者(65-75歳未満)と後期高齢者(75-85歳未満)とに分け、前期高齢者の降圧目標は140/90mmHg未満、後期高齢者で軽症高血圧の降圧目標は140/90mmHg未満でよいが、中等症・重症高血圧では150/90mmHgを暫定目標とし、それで問題がなければ最終的に140/90mmHg未満にするのがよいとした。(2006年9月作成)

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3-5 自らの体は自ら

特定非営利活動法人日本高血圧学会のウエブページからダウンロードした、一般向け資料「家庭で血圧を測定しましょう」には次のように書かれています。

家庭血圧が135/85mmHg以上であれば、脳卒中や心筋梗塞にかかる率を2~3倍にも増やす危険な高血圧です。

家庭血圧が高い?(上の血圧135以上又は下の血圧85以上)→「持続性高血圧又は仮面高血圧」で「すぐに治療又は治療の変更が必要です」。

間違いではありませんが、誇大広告という言葉を思い出します。中原英臣医学博士の著作「テレビじゃ言えない健康話のウソ(株式会社文芸春秋)」では、次のように述べています。

WHOは「血圧が140/90を超えたら毎日の生活に気をつけましょう」といっているのに、日本では血圧が「140/90」のいずれかが超えたら「血圧が高い」ことになりつつあります。
 (中略)この「140/90」という数字が、医者が高血圧の病人を増やす免罪符にされています。この数字だけで、定期的に血圧を測定する必要があるということになってしまったのです。(39ページ)

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安保徹医学博士の著作「免疫力が上がる生活下がる生活(PHP文庫)」には、「薬はなるべく飲まない」との説明があります。その部分を引用させていただきました。免疫力が上がる生活下がる生活の表紙

たとえば血圧が高いと、動脈硬化の危険性があるということで、すぐに血圧を下げる薬や血液が凝固しないようにする薬を処方されます。一度そのような薬を飲み始めると、医者には「ずっと飲み続けなければいけない」と言われます。(中略)薬で無理やりに血圧を下げ続けることになります。(67ページ)

薬を服用するだけでは、根本の病気は治りません。一時的に血圧を下げることはできても、薬に頼っていると体の維持に必要な血圧が得られなくなり、そのために体調がすぐれず、いずれ破たんをきたすことにもなりかねないのです。問題の根源は、それに至った生活にあるのです。
 まず、それまでの生活を見直して変えることです。(68ページ)

中原英臣医学博士が述べているWHO(世界保健機構)の考え方や、猿田享男名誉教授が「高血圧診療ガイドライン・レビュー」述べている説は信頼できそうです。そして、安保徹医学博士のおっしゃるとおり「それまでの生活を見直して変えること」で乗り切ることが最善と思われます。

家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上になったら、「食事療法」と「運動療法」を続けることで改善させましょう。いつやるの!答えは知っていますね。

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