はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第2章 シラクモとフケ

子どもや若者は頭部に大量の汗をかきやすく、洗髪も十分に行う事は無理なため、白癬菌に感染してシラクモになりやすい。マラセチア菌が原因のフケも同様です。むかしのような荒療治はせず、菌類は皮膚科を訪れさっさと駆除してもらいましょう。

1 子どもの頃の思い出

小学3年生のころにシラクモが大流行しました。主に男子児童の間で流行する病気で、髪の毛の生えている頭皮部分に十円玉くらいの丸く、境界の明らかな白くてフケが固まったような症状がでます。

進行程度によって症状は異りますが、シラクモになると患部が赤く腫れ上がったり、円形状の白い斑点のようなものが現れ、皮膚がボロボロと剥がれ落ち、フケが多量に発生する子どももいます。痒みを伴ったり、患部の毛髪が抜け落ちた子どももいました。

当時はまだ十円玉が発行されていないため、十円玉と同じ大きさの一銭硬貨の大きさだったので「一銭パゲ」と呼んでいました。ハゲではなくパゲと呼んでいた理由はわかりません。

シラクモの感染率が高いのは子どもや高齢者などといわれます。子どもは頭部に大量の汗をかきやすく、洗髪も大人のように十分に行う事は無理です。遊んでいる最中に頭が接触することもあり、感染者と頭を接触させる機会が多いことなどが上げられます。

シラクモを治療せずにそのまま放置しておくと、掻いたさいの炎症が原因で化膿したり脱毛範囲が広がる場合があります。症状が徐々に悪化する場合が多いので、早期に発見して治療に努めることが大切とされています。

しかし、当時はもっとも近い内科の病院まで4km以上あり、皮膚科などという名称は聞いたことがないため、多くの子どもたちは頭をしっかり洗う程度ですましていたと思われます。薬を塗ったり、飲んだという記憶はありません。

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2 DDTの効用

通院せずにシラクモが治った原因をさぐると、思い当たるのは坊主頭の洗髪以外はDDT(Dichloro-diphenyl-trichloroethaneの略)です。DDTは第二次世界大戦の開戦で、日本から除虫菊の供給が途絶えたアメリカで実用化されました。安価に大量生産が出来る上に少量で効果があり、人間や家畜に無害と思えたので爆発的に広まりました。

終戦直後の衛生状況の悪い日本で、ノミやシラミなどの防疫対策としてアメリカ軍がDDTを持ち込みました。外地からの引揚者や一般の児童の頭髪に粉状の薬剤を浴びせる防除方法がとられ、衛生状態が改善した後は農業用の殺虫剤として利用されていました。

DDTは真っ白な粉末で噴霧器に詰められます。噴霧器のノズルを子どもの首の位置からシャツの中へ入れ、正面と背中に一回ずつ噴霧されます。勢いよく噴霧するので、微粒粉末は首とシャツのあいだから舞い上がり煙幕状になりました。毛じらみを駆除する目的で頭にも浴びせられ、真っ白になって多量のDDT粉末を吸い込んでいました。

DDTは自然界で分解されにくく、長期間にわたり土壌や水循環に残留し、食物連鎖を通じて人間の体内にも取り込まれて神経毒として作用するといわれます。このため、現在の日本国内で製造や使用が禁止されています。

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3 原因は白癬菌

しらくもや水虫は、カビの一種である「白癬菌」が皮膚に定着して起きる症状といわれます。白癬菌はケラチンという蛋白を栄養源に生きているカビで、ケラチンが多く存在する皮膚の表面を覆う角層(垢となって落ちる場所)に住み着きます。白癬菌は他のカビと同じく高温多湿な環境を好み、汗は白癬菌がもっとも好むものといわれます。

白癬菌は取り付いたからだの場所、足の場合は水虫、頭の場合はしらくも、体の場合はたむし、股間に定着した場合はインキンと呼び名が変わります。シラクモになった人は、足などにも感染している場合が少なくないといわれます。

皮膚にカビが寄生して生ずる病気は、新たに皮膚科を受診する患者の12%程度を占めるとされ、そのうちの88%が白癬菌によるものだそうです。足に生ずる水虫は、夏になると日本人の4人に1人見られると予想されています。

皮膚の角層に感染した白癬菌は、抗真菌作用を有する塗り薬をきちんとつければ良くなるそうです。但し、角層がかなり厚くなっている角質増殖型と呼ばれる場合や、白癬菌が髪の毛や爪に寄生している場合は、飲み薬を飲まないと治りません。飲み薬は全ての白癬菌に有効ですが、副作用や他の薬剤との飲み合わせの問題があるという欠点があるそうです。

体部白癬や股部白癬は塗り薬を2週間程度つけ続ければ治ります。足白癬(水虫)は自覚症状がない部分も含め、指の間から足の裏全体に最低4週間毎日治療を続けないと治りません。身体に白癬菌を寄生させても利点はないので、皮膚科を訪れさっさと駆除してしまいましょう。

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4 学生服の肩は真っ白

中学3年生の三学期頃だろうか、着ている学生服の両肩にフケが落ちて真っ白になっていることがありました。フケは新陳代謝で頭皮に存在する角質細胞が剥がれることにより発生します。フケは「脂性フケ」と「乾性フケ」に分けられ、フケ自体が病気というわけではありません。皮膚は常に皮脂を分泌し、様々な外的影響により皮脂の分泌が多くなることで角質層がはがれ落ち、それがフケになるといわれます。

脂性フケは湿ったフケで、頭皮に脂が溜まっているため髪にへばりついています。湿っていたり固まっているためフケが比較的大きなことが特徴です。脂性フケの原因は、マラセチア菌が大量に活動しているのが原因とされます。マラセチア菌はすべての人の頭皮にいる常在菌で、脂分を栄養とするため汗や皮脂が増えるとマラセチアが増えて脂性フケになってしまいます。

乾性フケは、頭皮の脂が少なく肌が乾燥することで頭皮がダメージを受けて生じるフケで、アトピーなどの症状を持つ人のフケもこれに分類されます。肩まで落ちるフケが一般的で、頭皮が乾燥しているのですぐに剥がれてしまい、カサカサして粉をふいたようにパラパラしているのが特徴です。乾燥しているため比較的小さいことも特徴です。

乾性フケは肌の乾燥が原因で、洗髪すればするほど悪化することが多いとされます。洗髪後は髪の毛が乾かないうちにワセリン、つばき油などの刺激が少ない保湿剤を肌へ直に塗りこむとよいそうです。

大学生になって髪を伸ばし七三に分けましたが、ポマードやチックを使わない時は朝から晩まで学生服の肩を真っ白にしていました。風呂上りのあと乾燥させてから、頭をかきむしるとものすごいと表現できる量のフケが落ちてきます。高校生1年生で精通は体験していましたが、異性に心ときめくことはない遅咲きだったのが救いでしょう。

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5 妻に感謝

女性に自ら声をかける勇気がない遅咲きのため、両親は心配し始めました。30歳を超えて独身なら、どこかに欠陥があるからと噂されるかもしれない。まともな人間は30歳前に結婚していると、知り合いが持ってきた独身女性の写真をあずけました。

見合い結婚をしたのちも、フケは減るどころか大きなカサブタ状になってきました。前頭部の髪の毛の根本に爪を当てると、頭の皮状になったフケが持ち上がります。1cmまで上がらないうちに壊れてバラバラと落ちてきますが、帰宅する前に外でフケを落とすのが習慣のようになっていました。

ところが、ある日突然フケが止まりました。頭をかきむしっても白い粉が落ちてきません。食生活が極端に変化したわけでも、医師の指示で薬をつけたわけでもありません。タバコの禁煙には失敗し、飲酒量にも変化はありません。なぜだろうと頭を抱え込んでしまいました。

自宅の風呂で頭を洗おうとしたとき、新しいシャンプーの容器に気付きました。独特のにおいがする花王石鹸のメリットです。ジンクピリチオン配合とあり、フケが止まったのはこのシャンプーのおかげだと感じました。

妻に問いかけると「テレビで宣伝してるでしょう。」と答えます。ジンクピリチオン配合で「フケかゆみを止めるシャンプー」として大流行しているのを知りました。このときコマーシャルも見たほうがよいと思い、このシャンプーを購入してくれた妻にいまも感謝しています。

1999年に国立環境研究所は、ジンクピリチオンに環境ホルモンの疑いがあると発表しました。生物のホルモンの働きを狂わせてしまう環境ホルモンとの疑いがもたれ、2006年以降は成分が変更されてメリットにジンクピリチオンは使われなくなりました。

神経毒として作用するDDTを頭から浴びてかなりの量を吸い込み、ホルモンの働きを狂わせてしまう可能性のあるジンクピリチオンを35年以上利用しましたが、72歳まで生き続けています。危険なものは効果も高いが、明日を担う子どもたちには使わせたくないのが本音です。

シラクモやフケに悩んでいるなら、明日にも皮膚科で診察を受けましょう。簡単に直してもらえます。

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